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QB「マサムネのきれあじをきみらのからだであじわうといい!」 6 ヴァルハラ宮殿~最後の世界

2011/08/13 05:00 | CM(0) | その他 夏休みSS劇場
シリーズ:QB「マサムネのきれあじをきみらのからだであじわうといい!」


420 1 [saga]:2011/07/14(木) 19:37:49.49 ID:0R+V5+NC0
--- 天の柱 ---

マミ「”天使の翼”って本当に便利ね」

杏子「歩かずに意地悪なダンジョンまで戻れたからな」

ほむら「それにしても居なくなってるわね、意地悪なQB」

杏子「ちぇっ、”サンダー”で丸焼きにしてやろうと思ってたんだけどな」

まどか「さすがにインキュベーターを食べたりしないよね・・・?」

杏子「食えそうだったら食うよ?」

ほむら「そう・・・」



杏子「お、次の世界のドアが見えたぞ」

ほむら「ここで行き止まりになっているようね」

マミ「次の世界で最後の世界なのかしら?」

まどか「ソウルジェムが全部そろうんだね!」



 少女達は皆がドアに手を差し出し、一斉にそれを開く。
暗い場所から明るい所へ出た時の目の眩み。
視界に広がるものは、一面の雲と青空であった。



421 1 [saga]:2011/07/14(木) 19:38:16.93 ID:0R+V5+NC0
--- 雲の世界 ---

ほむら「雲・・・?」

杏子「どうなってんだ?」

マミ「空の上ってこんな景色なのね。ソウルジェムの数は・・・」

- この世界に残るソウルジェムはあと 8 -

マミ「みたいよ。あと1つで77個が揃うのにね」

ほむら「それにしても、こんな所にソウルジェムがあるなんて」

杏子「ここをどう歩くんだ?まさか雲に乗れなんて言わないよな」



まどか「えいっ」ピョン

ほむら「まどか!」



まどか「見てみて!雲の上に乗れたよ!」

ほむら「・・・心臓が止まるかと思ったわ」

杏子「高所恐怖症のくせに無茶すんなよ」

まどか「だってキレイだったんだもん、この世界!」

マミ「でも足元が一面ずっと雲のおかげで、確かに怖いとは感じないわね」

ほむら「雲の上を歩けるのなら、先へ進んでみましょうか」


422 1 [saga]:2011/07/14(木) 19:38:42.51 ID:0R+V5+NC0
 空の散歩を楽しむ少女達の目に入ったものは、
おそらくは大理石で作られているであろう宮殿。
そしてさらに奥には、彼女達が通ってきたものとは違う
もう1本の天の柱であった。



まどか「わぁ、この宮殿もきれいだね」

ほむら「雲の上に建てられているだけあって、荘厳な空気を感じるわ」

マミ「でも、こういう宮殿に居た人達って・・・」

杏子「どこの世界でも、新しき神々だったな」

まどか「どうしようか。あっちの天の柱に行ってみる?」

ほむら「いえ、先にこの宮殿から行きましょう。
 中に居るのがどのような人物なのか、見極めなければ」

マミ「例によってソウルジェムを集めて悪い事をしている人だと困るしね」

杏子「そうだったら、いつも通りにぶっ飛ばしちまえばいいんだよ!」

まどか「悪い人でなければいいんだけどなぁ・・・」


423 1 [saga]:2011/07/14(木) 19:39:10.71 ID:0R+V5+NC0
http://www.youtube.com/watch?v=dEnvXqtZ2fA  

--- ヴァルハラ宮殿 ---

マミ「あれ、ここ見た事があるような」

ほむら「奇遇ね、私もそう思っていたところなの」

まどか「なんでだろう。不思議な感じがする」

杏子「アポロンやビーナスの宮殿に似ているから、そう感じるのかね」



まどか「見てよみんな、何か浮いてるよ」

マミ「キレイな水晶球ね」

杏子「なんなんだろうな、コレ。結構硬いよ」コンコン

ほむら「一体どういう理屈で浮いているのかしら」

まどか「お土産に1つ持って帰りたいね」

杏子「そうかぁ?こんなの置いてあったらちょっと引くぞ」

マミ「暁美さんのお家なら違和感ないんじゃない?」

ほむら「どういう意味よ」

まどか「ほむらちゃんのお部屋、歯車とか振り子時計とかあったし
 この水晶を置いてても似合いそうだよね」

杏子「自慢のほむホームとか言ってたもんな」

ほむら「・・・昔の事よ。忘れてちょうだい」


424 1 [saga]:2011/07/14(木) 19:39:37.18 ID:0R+V5+NC0
マミ「それにしても、ここの宮殿は今までと変わっているわね」

ほむら「ここまでは新しき神々が居ただけって印象だけど・・・」

杏子「ぽつぽつ魔物の姿も見えるな」

まどか「こんな場所に魔物が居るなんて、
 ここに住んでいた人達はどうなったんだろう?」

ほむら「そもそも人なんて住んでいなかったのかもしれないわ」

マミ「神様が住んでいた宮殿だったとか!」

杏子「カミサマは魔物を飼っているって言うのかい?」

まどか「それもヘンだよね」

ほむら「雰囲気こそ違えど、アシュラの塔のような場所なのではないかしら」

杏子「ってーと、奥にはソウルジェムを集めた悪人が居るっての?」

ほむら「憶測に過ぎないけれどね」

マミ「そうは思えないのよね。こう、悪人の趣味でこんな建物にはならないと思うの」

まどか「でも、ビーナスの宮殿もこんな風にキレイに作られてましたよ?」

マミ「うまく言えないんだけれど・・・ビーナスとはちょっと違うような」

ほむら「さっきのような発言をしておきながらだけれど、
 私も本音は巴マミと同感ね。ここは何か懐かしい感じがするわ」


425 1 [saga]:2011/07/14(木) 19:40:05.46 ID:0R+V5+NC0
まどか「ホッケーマスクを被った男の人がいるよ!」

杏子「どう見ても危険人物じゃねえか」

ほむら「人のように見えるけれどあれは魔物よ。”殺人鬼”ね」

マミ「ちょ、ちょっと。すごい物騒な物を持ってるわよ」

まどか「あれは山でお仕事してる人が使う・・・」

杏子「チェーンソーだな・・・」

ほむら「私達では耐えられないわ。あなたの装甲に頼るしかないの」

マミ「よーし、ドンと来なさい!」

 さつじんきは チェーンソーで
 マミさんを こうげき

マミ「ちょ、やっぱ怖い!怖い!」

杏子「頑張れマミ!」

マミ「わあああぁぁ・・・」ガキン

 チェーンソーでは かたくてきれない



ほむら「マミさんは バラバラになった」ファサッ

マミ「なってない!ピンピンしているわ!」

まどか「チェーンソーが壊れて回らなくなったよ・・・マミさんすごいなぁ」

マミ「本当に怖かったんだから!」

 マミさんは よいちのゆみで
 さつじんきを こうげき
 さつじんきに 777のダメージ
 さつじんきは たおれた

ほむら「ラッキーセブンじゃない」

マミ「ちっともツイてないわよ!」


426 1 [saga]:2011/07/14(木) 19:40:39.04 ID:0R+V5+NC0
まどか「マミさんごめんなさい・・・」グスッ

マミ「鹿目さん・・・ううん、もう怒っていないわ」

杏子「調子に乗りすぎたよ、ごめんな」

ほむら「・・・あら、もう次の魔物が来たわよ」

マミ「”ハンマーヘッド”が2匹と”アンサラー”が1匹ね」

杏子「アタシの能力はアンサラーには効かないから、
 まどかはアンサラーを頼むよ」

まどか「うん、わかった。マミさんの分も頑張りますね!」

マミ「それじゃあ弓は温存して”ビームライフル”で攻撃するわね」

 ハンマーヘッドは ずつきで
 まどかを こうげき
 まどかに 91のダメージ

 ハンマーヘッドは ずつきで
 まどかを こうげき
 まどかに 87のダメージ

ほむら「まどか、大丈夫?」

まどか「意地悪なダンジョンの敵に比べればへっちゃらだよっ!」

 アンサラーは
 こうげきを まちかまえている

杏子「まどかっ、危な・・・」

 まどかは ネコのツメで
 アンサラーを こうげき
 アンサラーに 412のダメージ

 アンサラーは 
 カウンターで はんげき
 まどかに 832のダメージ
 まどかは たおれた

まどか「」ドサッ


427 1 [saga]:2011/07/14(木) 19:41:05.74 ID:0R+V5+NC0
ほむら「まどか!」

マミ「まずいわ!佐倉さん、速攻で片付けるわよ!」

杏子「分かってる!」

 マミさんは ビームライフルで
 アンサラーを こうげき
 アンサラーに 401のダメージ
 アンサラーは たおれた

 きょうこは サンダーで
 ハンマーヘッドたちを こうげき
 ハンマーヘッドたちは サンダーによわい
 ハンマーヘッドたちに 560のダメージ
 2たい たおした

ほむら「まどか、大丈夫?ケアル!」キュイーン

まどか「いたたた、油断しちゃった。みんなごめんね」

マミ「いくら体が軽くても、浮かれて油断しちゃダメよ」

杏子(何だろう、説得力がないなぁ)


428 1 [saga]:2011/07/14(木) 19:41:37.67 ID:0R+V5+NC0
 水晶球の並びと大理石の壁面は、さながら迷路のようであった。
それを抜けて歩いて行った先に、
装飾の施された大きなドアが彼女達の視界に入る。



杏子「いかにも、何かが居ますって感じの部屋だな」

まどか「でも他に道があったわけでもないし・・・」

ほむら「覚悟を決めて行くしかないわね」

マミ「準備はいい?開けるわよ・・・」



 戸を開いた先に、調度品も何もない広く大きな一室。
その部屋の中央に、白い鎧を身にまとったインキュベーター。
彼は右手に大きなヤリを持ち、少女達をじっと見ていた。



 その光景を目の当たりにして、全てを思い出す。
自分達が倒れた時には、ここに来ていた事を。

 目の前にいるオーディンに、生き返らせて貰っていた事を。

429 1 [saga]:2011/07/14(木) 19:42:07.13 ID:0R+V5+NC0
オーディン「ついにここまで辿りついたね、勇者達」

まどか「あなたは・・・」

ほむら「オーディン・・・」

オーディン「その顔なら、僕との約束を覚えているよね?」



オーディン「さあ、僕と戦うんだ」

マミ「なぜあなたと戦わなくてはならないの。教えて」

オーディン「僕に勝てたらそれを話してあげよう」

杏子「アンタをやっちまったら生き返れなくなるじゃないか」

まどか「そんなバカな事できないよ!」

オーディン「ふふふ。もう僕に勝てる気でいるのかい?」


430 1 [saga]:2011/07/14(木) 19:42:37.89 ID:0R+V5+NC0
http://www.nicovideo.jp/watch/sm11635250

「てかげんは しないよ!」

frwhl24


431 1 [saga]:2011/07/14(木) 19:43:04.97 ID:0R+V5+NC0
 オーディンはその右手に持つヤリを高く掲げる。
彼の周囲には白い魔力の塊が集まりだし、
それはやがて2匹の鳥と1匹の馬の形を取っていた。



オーディン「1対4では不利だからね。数合わせはさせてもらうよ」

杏子「案外セコい奴だね、アンタ」

オーディン「何とでも言ってくれ。さあ、始めようか」

ほむら「ザコから片付けましょう」



 暁美ほむらが”フレアの書”を手に取り、
パラパラとページを捲り出す。

 その能力が発動するまでの時間を稼ぐため、
鹿目まどかが馬型の魔物”スレイプニル”を、
巴マミが鳥形の魔物”オーディン烏”に狙いを付ける。


432 1 [saga]:2011/07/14(木) 19:43:40.98 ID:0R+V5+NC0
オーディン「こう見えても可愛いしもべなんだ。やらせたくはないね」



 オーディンは自らの背丈ほどもあるヤリを構え、
先頭に立っていた巴マミを突き刺す。
そのままヤリを引き抜き、自分の与えたダメージを観察していた。

 崩れ落ちる彼女を見て、彼は満足げに頷くと
次の獲物を定めるべく少女達に視線を投げる。



マミ「ぐぅっ・・・」

杏子「オイ、しっかりしろ!ケアル!」キュイーン

マミ「助かったわ、佐倉さん。今度はこっちの番よ!」



 すでに鹿目まどかは”スレイプニル”を斬り付けていた。
動ける程度には傷を治してもらった巴マミが、手に持つ弓を
”オーディン烏”の群れに向けて放つ。

 その矢とすれ違うように"スレイプニル”が吐き出した
”ほのお”の能力が迫り来る。

 敵にとって残念だったのは、少女達の全員が
装備や能力によって”ほのお”のダメージを
受け付けなくなっていた事であった。


433 1 [saga]:2011/07/14(木) 19:44:14.30 ID:0R+V5+NC0
 やがて暁美ほむらの作り出していた魔力の塊が
敵の中心で”フレア”の能力となり、目も眩むような
閃光と大きな爆発を残す。

 キーンと残り続ける耳鳴り。
爆発の効果は”フレア”を発動させた本人から見ても
効果が薄く、敵の群れは全員が立っていたままであった。



ほむら「仕留め切れなかったわ」

杏子「あのヤリは危険すぎるよ。回復が追いつかねえ」

マミ「攻めるべきか、守るべきか・・・」



まどか「いい考えがあるの。ほむらちゃんは”イージスの盾”をお願い」


434 1 [saga]:2011/07/14(木) 19:44:41.85 ID:0R+V5+NC0
 そう告げた鹿目まどかは、背負っていた”波動砲”を
敵に向けて構える。

 彼女の意図を理解した3人は、それぞれが守りの態勢を固める。



まどか「いっけぇー!」



 銃身に白い光の粒が吸い込まれてゆく。
それはほんの少しのタメの時間をおいて、
敵の群れに向けて青白い光の柱を作り出していた。

 

オーディン「そんな危険な武器を持っていたなんてね。
 僕のしもべ達が丸焼けになってしまったよ」



 その言葉を話すオーディンは無傷で立っていたものの、
オーディンの側に立っていた3匹の魔物は
彼の言う通りに立ったまま黒く焦げて動かなくなっていた。


435 1 [saga]:2011/07/14(木) 19:45:08.91 ID:0R+V5+NC0
 その仇を取ろうと言うかのように、
オーディンは攻撃の対象を鹿目まどかに切り替える。

 ”波動砲”を肩に乗せたままの鹿目まどかは、
それを避け切る事が出来なかった。



まどか「っ!」

 

 ただし、今回のヤリは彼女の体を貫く事が出来ない。
”イージスの盾”が作り出した光の防御壁によって、
オーディンの攻撃の勢いは殺されてしまっていたのだ。



オーディン「イージスの盾・・・厄介なものだね」

ほむら「いつまでも好きなようにはさせない」

杏子「まどか、すぐ治すよ。ケアル!」キュイーン


436 1 [saga]:2011/07/14(木) 19:45:39.45 ID:0R+V5+NC0
 彼には他に使える能力があったのかもしれない。それでも、
オーディンは、そのヤリを使っての攻撃しか行わなかった。

 ”イージスの盾”が作り上げる光の壁は、あらゆる能力を防ぐ。
それを知っていたからこそ、そのような単調な攻撃を行わざるを
得なかったのかもしれない。



 威力の減衰したその物理攻撃を受けては、佐倉杏子は
”ケアル”の能力を使って回復を済ませる。

 残りの3人は、ただひたすらオーディンに攻撃を加える。

 もはや勝敗は誰の目にも明らかであった。


437 1 [saga]:2011/07/14(木) 19:46:05.71 ID:0R+V5+NC0
まどか「・・・もうやめませんか?」

ほむら「もはやどちらが勝つのか、あなたにも分かっているはずよ」

オーディン「生憎だけど、戦いを辞めるつもりはないね」

杏子「聞き分けのないヤツだな」

マミ「どうしてそこまでして戦うの?」

オーディン「僕が倒れてしまったら、話す事も出来ないね」



 そう告げたオーディンは、ヤリの矛先を天に向けて地面を叩く。
一時的なものかもしれないが、攻撃を止めるという合図。
それを見た少女達も、それぞれの武器を向けるのを止める。



オーディン「少し長い話になる。まずはソウルジェムの秘密を教えてあげよう」

まどか「秘密って・・・?」


438 1 [saga]:2011/07/14(木) 19:46:39.57 ID:0R+V5+NC0
オーディン「ソウルジェムのもたらす力。それを君達は
 ここまでの冒険の中で、いくつも目にして来たことだろう」

オーディン「世界中に居た新しき神々。そして、今の君達が
 使っている力の増幅装置」

オーディン「ソウルジェムはまさに、奇跡を生み出す力の象徴なんだ」

ほむら「そんな事は知っているわ」

オーディン「では質問をしようか。ソウルジェムの力が
 無尽蔵に生まれるものなのだと、君達は思い込んではいないかい?」



杏子「どういう事だ?」

オーディン「いかに古き神々と言えど、そのような奇跡を作り出す事は出来なかった。
 ソウルジェムの奇跡を生み出すには、少なからず代償が支払われているんだよ」

マミ「・・・代償?」

オーディン「そう、代償さ」


439 1 [saga]:2011/07/14(木) 19:47:09.22 ID:0R+V5+NC0
オーディン「ソウルジェムはその力を発揮する度に、
 人の世に溢れる負の感情を吸い取っている」

オーディン「怒り、憎しみ、悲しみ、恨み。それらの呪いの力を、穢れとでも呼ぼうか」

まどか「このソウルジェムが・・・穢れを溜め込んでいるって言うの?」

オーディン「そうは見えないだろう?けれど君達の持っているソウルジェムは、
 もう許容量を越えて呪いを溜め込んでいる」

オーディン「それらは古き神々に言わせれば、ソウルジェムと呼べる物ではないらしい。
 じゃあ何と呼べばいいのか、それは古き神々にしか分からないけれどね」

ほむら「穢れを溜め込んでいたとして・・・
 そんな物を使い続けていたら危険ではないのかしら」

マミ「知らなかったとはいえ、これまで使い続けて来たけれど何ともないわよ?」

オーディン「そのあたりは君達が心配する事はない。
 宝石が溜めきれなくなった穢れは、天の柱の世界に吸い込まれる事になっているんだ」

杏子「そんな事をして何になるってんだ?」

オーディン「神々の世界が身代わりとなって、人の世界に呪いが振り撒かれないように。
 僕を創った古き神々は、そう言っていたよ」

まどか「創った・・・?」

オーディン「そうさ。僕達インキュベーターは、古き神々に創られたモノなんだ」


440 1 [saga]:2011/07/14(木) 19:47:35.41 ID:0R+V5+NC0
オーディン「古き神々の都合は分からない。けれど、彼らもまた
 自分達の世界に呪いが集まる事を良しとは思っていなかったんだ」

オーディン「それが、僕達の創られた理由さ。
 僕達はソウルジェムに集まった穢れを”食べる”ためだけに存在していたんだよ」

マミ「・・・・・・」

杏子「・・・どれだけの間、そうして来たんだ?」

オーディン「さてね。この世界に人間が創られたのと同時に、
 少なくても僕という個体は創りだされていた」

オーディン「人間がほら穴の中で生活をしていた頃から、
 僕はこの世界にずっと居たのさ」

まどか「そんなに長い間・・・」

オーディン「それを苦痛だとは思わなかった。僕達には、感情がなかったんだよ」

オーディン「ただただソウルジェムの穢れを食らい続け、古き神々から
 与えられた仕事をする機械。それが僕達インキュベーターだった」


441 1 [saga]:2011/07/14(木) 19:48:02.47 ID:0R+V5+NC0
ほむら「辻褄が合わないわ。あなたの話が真実なのであれば、
 ソウルジェムに穢れが溜まるなんて事はないのではないかしら?」

オーディン「その通りだね。僕達が仕事をしてさえいれば、
 そんな事にはならなかった。だが、僕達は仕事を辞めてしまったんだ」

マミ「どうして?」

オーディン「個体差はあったけれど、機械に過ぎない僕達に感情が生まれたんだよ」

オーディン「感情が生まれた理由は分からない。あまりにも長すぎた年月が、
 古き神々の生んだ機械にさえも故障を起こしたのかもしれないね」



オーディン「勿論、今でも仕事を続けているインキュベーターも居るだろう。
 だが、多くのインキュベーターは自身の存在価値に疑問を抱いてしまったんだ」

オーディン「何のためにこんな事をしているんだろう、ってね。
 虚しくなってしまったんだよ」



オーディン「・・・君達がこれまでに見てきたインキュベーターを思い出して欲しい。
 そのほとんどが、何かしらの感情を持っていたのではないかい?」


442 1 [saga]:2011/07/14(木) 19:48:30.59 ID:0R+V5+NC0
オーディン「長々と話したけれど、話を最初に戻すね」

オーディン「あまり大きな声で言えたものでもないけれど、
 僕に生まれた感情。それは、ただ面倒臭いという事だけなんだ」

杏子「散々と語っておいてそれかよ」

オーディン「そう言われると思ったよ。僕はこう見えて、仕事熱心なタイプでね。
 ソウルジェムを8個も集めて、穢れを食べていたんだ」

オーディン「それだけのソウルジェムのおかげで、僕には強靭な肉体が備わった。
 僕は誰かに殺して貰わない限り、このヴァルハラ宮殿で生き続けるだろう」

マミ「・・・何て事を言うの」

オーディン「言っただろう、虚しくなったって。
 君達のような勇者と戦い、その中で死ぬ。それが僕の本望なんだ」



ほむら「虚しくなったから、そんな理由で戦って欲しい?殺して欲しい?
 冗談でも済まされる言葉ではないわよ」

まどか「あの、もっと生きていれば・・・きっと楽しいって思える感情も・・・」

オーディン「それは何千年後の話だい?何万年後になるんだい?」



オーディン「そこまで生き続けろと言うのは、僕にはとても耐えられそうにないよ」


443 1 [saga]:2011/07/14(木) 19:48:58.03 ID:0R+V5+NC0
まどか「でもっ!」



 言葉を遮るように、オーディンはヤリで床を叩く。
そしてゆっくりとその矛先を少女達に向けて言葉を続ける。



オーディン「僕は自害できないように創られている。
 君達という強敵が現われたチャンスを逃しはしない」

オーディン「君達が僕を殺すか。僕が君達を殺すのか」



オーディン「ここで朽ち果てたくなければ、僕に最期を与えてくれ」


444 1 [saga]:2011/07/14(木) 19:50:01.26 ID:0R+V5+NC0
 オーディンがヤリを振り、少女達に攻撃を加える。
受けた傷の回復は、先ほどまでと同じように佐倉杏子が担当する。
だが、彼女達は攻撃をするのを躊躇していた。

 

杏子「・・・”ケアル”を使えるのも、あと何回もないぞ」

マミ「けど・・・!」



オーディン「君達が手を抜くと言うのなら、僕にも考えがある」



 そう告げたオーディンは、左手に1つのソウルジェムを取り出す。
それは”イージスの盾”と同じように光を放ちながら変形し、
長身の光の刀となっていた。



オーディン「ソウルジェム”マサムネ”さ。
 古き神々の創ったこの刀、人間に対して振るのは初めてだよ」



 そのきらめく刃を見ながら、少女達は戦慄する。
古き神々が創った”イージスの盾”の防御能力には、
これまでに何度も助けられて来たのだ。

 では、同じソウルジェムであるその刀の威力はどのようなものであるのか。

 それを身をもって味わおうなどとは、誰もが考えていなかった。


445 1 [saga]:2011/07/14(木) 19:50:30.98 ID:0R+V5+NC0
 暁美ほむらが”フレアの書”を手に取る。

 巴マミが”ビームライフル”の銃口を敵に向ける。

 佐倉杏子はその両手に”サンダー”の魔力を集め始める。



まどか「駄目だよ、こんなの絶対におかしいよ!」



 その叫びの主に向けて、オーディンが歩み寄る。
光の刀を大きく天に掲げながら。



 ”フレア”の起こした爆発が、少女とインキュベーターを吹き飛ばす。

 さらにオーディンに2発の追撃が与えられ、
少女達はその巨体がゆっくりと地面に倒れていく様を目にする。


446 1 [saga]:2011/07/14(木) 19:51:00.60 ID:0R+V5+NC0
http://www.youtube.com/watch?v=dEnvXqtZ2fA

オーディン「よくやってくれた・・・」



オーディン「これから先、君達が倒れても助けてくれる者はいない。
 気をつけて進むんだよ・・・」

まどか「オーディン!」

オーディン「・・・言い忘れていたね」



オーディン「ありがとう」



 その体は光につつまれ、ぽろぽろと崩れ落ちてゆく。

 消えゆく肉体の代わりにソウルジェムが1つずつ、床に落ちて転がる。



 それを拾う事が出来ず。

 少女達はしばらくの間、じっとその宝石を見つめ続けていた。


447 1 [saga]:2011/07/14(木) 19:51:31.26 ID:0R+V5+NC0
 - 力のソウルジェムを手に入れた -

 - 素早さのソウルジェムを手に入れた -

 - 魔力のソウルジェムを手に入れた -

 - 炎のソウルジェムを手に入れた -

 - 氷のソウルジェムを手に入れた -

 - 稲妻のソウルジェムを手に入れた -

 - 毒のソウルジェムを手に入れた -

 - ソウルジェム マサムネを手に入れた -


448 1 [sage saga]:2011/07/14(木) 19:52:14.75 ID:0R+V5+NC0



449 1 [sage saga]:2011/07/14(木) 19:54:42.46 ID:0R+V5+NC0
本日はここまで。

オーディン戦直後を撮り忘れて、次の世界に入った瞬間のステータス
gwbn35

>>416 電源パチパチな裏技やらないと防御50なんて・・・めん・・・ど・・・い・・・
>>418 前回はゲームらしく書こうと思う内に暴走してネタを入れすぎた。今後は何も出ないよ!

450 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/14(木) 20:08:39.90 ID:A3MPD6EYo


いじわるなダンジョン下層の敵なら、ステが75までは容易に上がるはず
戦闘で常時イージスの盾をしておけば防御upも戦闘もラクラクだ!

451 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (福岡県) :2011/07/14(木) 20:56:29.21 ID:FUpwLmnLo
乙!

ここでようやく表題のマサムネが登場、そしてあと僅かか・・・

452 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします :2011/07/14(木) 21:16:58.51 ID:mpfedtKIO
マサムネの固定ダメージにはガッカリだったな

453 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (北海道) [saga sage]:2011/07/14(木) 22:47:57.39 ID:jh6R1Ytk0


良い話だなぁ・・・

454 1 [saga]:2011/07/16(土) 15:58:57.49 ID:KNuYvr830



455 1 [saga]:2011/07/16(土) 15:59:30.33 ID:KNuYvr830
--- 天の柱 ---

 ヴァルハラ宮殿を脱出し、そこに入る前に
見えていた天の柱へと少女達は歩いていた。

 先ほど起きた出来事から、じっと黙り込んだままで。



杏子「・・・・・・」

マミ「鹿目さん・・・その・・・」

ほむら「ごめんなさい。あなたのために・・・」

まどか「ううん、私の方こそごめんね。
 オーディンがどうしたら幸せになれるかなんて、私達には分からないよね」

杏子「アイツ、消えて行きながら笑ってるように見えたよ。
 きっとこれで良かったんだよ」

マミ「そうね。そう思いましょう」


456 1 [saga]:2011/07/16(土) 15:59:56.76 ID:KNuYvr830
ほむら「提案があるのだけれど、いいかしら?」

まどか「どうしたの、ほむらちゃん」

ほむら「あのようなソウルジェムの秘密を聞かされて、
 正直このまま使い続けるのは気が引けるわ」

杏子「言いたい事はなんとなく分かるよ」

マミ「穢れが溜り続けてどうなるのかも分からないけれど、
 いいイメージは持たないものね」

まどか「うん、これを使うのはもうやめよう」

ほむら「あと1つで、77個のソウルジェムが揃うのね」

まどか「そうしたら、ガーディアンに預かってもらおうよ。
 誰も悪事に使ったり出来ないようにね!」

杏子「きっと次の世界に、最後の1つがあるんだろうな」

マミ「そうなると、次の世界が最後の世界という事になるわね」



 話しながら歩いて行くうちに見えていたドア。
こうして開くのも最後になるかもしれないと考えながら
少女達は全員がそのドアに手をかけ、そして押し出す。


457 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:00:36.76 ID:KNuYvr830
--- 最後の世界 ---

 そこにはごつごつした岩場と、いくつかの木々が立っている世界。
先の世界に比べると平凡と形容できるその世界ではあったが
さらにもう1本の天の柱が視界の先にそびえ立っていた。



杏子「見ろよ、また天の柱があるぞ」

マミ「あら、ここが最後の世界ではないのかしら?」

まどか「どうしよう、精霊の鏡を1回だけ使ってみる?」

ほむら「もうちょっとこの世界を歩いてからでも遅くはないわ。
 まずは街でもないか、探してみましょう」

杏子「どっちにしろ周りは岩場だらけで、あそこの天の柱の近くまで
 行かねーとだめだな」

マミ「特に急いでいるわけでもないし、のんびりと行きましょうか」



 もう片方の天の柱に近づくにつれて、柱のドアの前に
人の姿があるのが少女達には見えていた。

 誰から見ても、何かを待っている様子のその姿。

 それは以前に見た新しき神々の1人、アポロンであった。


458 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:01:16.89 ID:KNuYvr830
http://www.nicovideo.jp/watch/nm3696152

アポロン「やあ。久しぶりだね」

マミ「アポロン?」

ほむら「また会ったわね。レース会場以来かしら」

アポロン「君達を待っていたんだ。オーディンを倒せるかどうか、
 ちょっと心配していたよ」

まどか「私達を待っていたの?」

アポロン「そうだとも。僕の調べが正しければ、
 君達は76個のソウルジェムを持っているはずだね?」

杏子「・・・テメェ、何が言いたい」

アポロン「そして、僕が残りの1つを持っている。
 君達か私か、どちらかが全てのソウルジェムを手に入れる事になるわけだ」



アポロン「さあ、勝負をしようか」


459 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:01:42.63 ID:KNuYvr830
まどか「あなたがなんで気が変わったのかは知らないけれど、
 ソウルジェムは渡さないよ!」

アポロン「それで結構さ。元より、力尽くで奪うつもりだったのだから」



 そう告げたアポロンは魔力を集中させ、
少女達の周囲に魔物の影を作り出す。

 オーディンが使った魔力と同じものではあったが、
魔物は数え切れないほどの群れとなり彼女達を囲んでいた。



マミ「こんなので私達を止められると思っているの?」

アポロン「君達が消耗さえしてくれればそれでいいさ」

杏子「っざけやがって・・・!」

アポロン「勝つためには手段を選ばないよ。さあ、頑張っておくれ」



詢子「伏せろ!」


460 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:02:31.54 ID:KNuYvr830
 その声が聞こえると同時に”バルカン砲”があげる
けたたましい銃声が少女達の耳に聞こえだす。
何が起きつつあるのか理解した彼女達は、一斉に地面に身を投げる。

 そうして音の出所に目を向ける。
そこには、腰に構えた大型の機関銃から火を噴かせ
左右に弾をばら撒き続ける鹿目詢子の姿。



まどか「ママ!」



 やがて機関銃の弾が切れ、それを地面に無造作に投げる。
少女達を取り囲んでいた魔物は、全て倒れて動かなくなっていた。
それを確認した鹿目詢子は、娘の顔を見てニヤリと笑う。



詢子「アタシは不死身だよ!」


461 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:03:05.13 ID:KNuYvr830
アポロン「まさか大佐が現われるなんてね。
 まったくしぶとい人間だよ、君は」

詢子「テメェの思い通りにはさせねぇよ。残念だったね」

アポロン「ふっ、さすがにお強い。だが、そこまでだよ」



 アポロンはパチンと指を鳴らす。
その仕草と共に、空間に灰色の魔力が集まる。

 それは魔力で作られた牢獄。
そこには、彼女達のよく知る人間達が囚われていた。



まどか「たっくん!」

タツヤ「マドカァ・・・」

杏子「ゆま!」

ゆま「キョーコ・・・怖いよ・・・」

ほむら「美樹さやか・・・!」

さやか「ごめん、捕まっちゃった・・・」

マミ「織莉子さん、キリカさんまで・・・」

織莉子「・・・申し訳ございません」

キリカ「私じゃ勝てなかったんだ・・・」


462 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:03:37.04 ID:KNuYvr830
詢子「この下種野郎が・・・!」

アポロン「それは人間にとっては罵倒の言葉なのかな?
 さあ、僕が何を言いたいかは理解してくれるよね」



詢子「・・・・・・」

まどか「ママ・・・」



 長い沈黙。

 やがて鹿目詢子は、娘の目を見て頷く。
そうするしかないのだと、全員が理解していた。

 ソウルジェムを袋に集め、それをアポロンへと手渡す鹿目まどか。
母親は、自分の娘の悔し涙というものを初めて目にしていた。


463 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:04:11.05 ID:KNuYvr830
アポロン「約束通り、命は助けよう。
 君達はこれから、唯一の神アポロンのしもべとなるのだからね」

詢子「待ちな。それだけのソウルジェムの力を使えば、
 きっとこの世界は持たずにバラバラになっちまうぞ」

アポロン「それが君達ガーディアンの研究結果かい?
 実にお粗末な嘘を吐くんだね」

詢子「そうなったら困るから本音で言ってるんだよ」

アポロン「くだらない。この77個のソウルジェムの力で、僕は真の神になるんだ。
 もしも世界がバラバラになったら、僕が救ってあげよう」

詢子「テメェ・・・!」

アポロン「笑いが止まらないよ。ふっふっふっふ・・・」



 アポロンは背を向けて、そこにそびえ立つ天の柱へと消えてゆく。
その姿が見えなくなると同時に、皆を閉じ込めていた魔力の牢獄も消える。

 解放されたとはいえ、その場に居た全員の顔は曇ったままであった。



マミ「おしまいね・・・」

杏子「ここまで来たのにな」

ゆま「ごめんね、キョーコ・・・」



詢子「まだ望みはあるよ」


464 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:04:40.65 ID:KNuYvr830
http://www.nicovideo.jp/watch/nm8301286

まどか「ママ?」

詢子「この世界で精霊の鏡を使ったか?」

ほむら「いえ、使っていませんけれど」

詢子「そっか。実はこの世界には、あと1つのソウルジェムが眠っている事を
 ガーディアンは突き止めているのさ」

杏子「ってなると、ソウルジェムは78個あるって事になるけど・・・」

詢子「ソウルジェムが全部で77個ってのは、ガーディアンの流した嘘だ!」

マミ「えーウソー!」

詢子「アポロンのヤツは全てのソウルジェムを手にしたワケじゃない。
 だから、アイツが真の神になるなんて事は出来ないのさ」

まどか「それなら・・・!」

詢子「アポロンがそれに気付く前に、アタシ達が最後の1つを回収する。
 そしてヤツをぶちのめして、全てを回収すれば万事めでたしさ」


465 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:05:22.58 ID:KNuYvr830
ゆま「キョーコ、負けないでね」

杏子「あんなのに負けるワケねえだろ。アタシらに任せておけって!」

ゆま「おいしいお店、探しておくからね。絶対戻ってきてね」

杏子「おう!」



さやか「・・・あの時のお礼、まだアンタには言ってなかったよね」

ほむら「礼を言われるような事をした覚えはないわ」ファサッ

さやか「アンタが忘れても、あたしは忘れないから。絶対帰ってきてよ!」

ほむら「・・・貰えるものなら頂いておくわ。それまで待っていてちょうだい」



織莉子「あれから江戸を離れましたが、幸いにも追手はいないようです」

マミ「良かったわね。またじきに江戸へ帰れるわよ」

織莉子「私もそう思います。皆さんは恩人です。世界のため、頑張ってください」

マミ「そんなキリカさんみたいな呼び方しないでよ・・・なんだかむずむずするわ」



マミ(キリカさんと言えば・・・)


466 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:05:58.18 ID:KNuYvr830
詢子「キリカ、その・・・」

キリカ「よして欲しいな。会いに来なかったなんて理由で
 私は詢子に怒ってなんかいないよ。むしろ感謝しているくらいさ」

キリカ「謝りたいのは私の方なんだよ」

キリカ「自分の事ばかり考えて、詢子のソウルジェムを守るという志を
 すっかり忘れてしまっていた。ガーディアン失格なんだよ、私」

キリカ「それに、今回の件もそうだよ。織莉子を守りきる事すら出来なかった。
 私は・・・」

詢子「アタシの言えた事でもないけどさ」

詢子「よしてくれよ、そんな顔すんの。織莉子をここまで守って来たんだろう」



詢子「今のアンタは、誰よりも立派なガーディアンだよ」

キリカ「っ」


467 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:06:34.96 ID:KNuYvr830
詢子「アンタは私の一番弟子だ。だから胸を張れよ」



詢子「・・・ここに居る皆を、それぞれの世界へ連れてやってくれるか」



 立ったまま震える呉キリカは、頷く事でその質問に返答をする。
そんな彼女の服の袖を、タツヤがぐいぐいと引っ張っていた。



タツヤ「キリカァ、キリカァ」



キリカ「・・・全員、無事に送り届けるよ。詢子も頑張って」

詢子「ああ」



詢子「さあアタシ達も行くぞ。アポロンに抜かれるな!」


468 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:07:07.85 ID:KNuYvr830
 その場に居た人間が、二つの塊に分かれて移動を始める。
それぞれの世界に戻ろうとする者達と。
最後のソウルジェムを探しに向かう者達と。



ほむら「これからどこに向かうのですか?」

詢子「ここから西に街がある。まずはそこで準備からだ」

杏子「準備?」

詢子「最後のソウルジェムはかなり長いダンジョンの奥にあるようだ。
 そこでソウルジェムを守っている戦闘メカも、かなりの強さを持っている」

詢子「だから、私達ガーディアンはそのソウルジェムに手が出せなかったのさ」

マミ「それなら、準備はきちんとしておかなければね」

まどか「皆で戦えばきっと勝てるよ!」


469 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:07:49.09 ID:KNuYvr830
--- 最後の街 ---

詢子「よし、それじゃあ準備にかかるか。
 アタシは武器を見に行くよ」

まどか「それじゃあ私も!」

ほむら「それなら私も行くわ」ファサッ

杏子「じゃ、アタシとマミは道具屋を見に行くよ」

マミ「私達はとくに欲しい武器もないから、気にせずお買い物をして来てね」

詢子「ああ、”コテージ”を3つくらい買っておいてな。
 長丁場になるだろうからね」

マミ「はい、行ってきます」



マミ「防具・・・もあまり必要ないわね」

杏子「持ってる物ばかりだしな。これなんかどうだい、”いやしの杖”」

マミ「なんだろうこれ」

店員「それは仲間達の体力をいっぺんに回復させる事が出来る杖だよ」

杏子「へー、便利だなぁ。これも何本か買っておこう」

店員「まいどあり!」
 
マミ「あとは買う物もないわよね」

杏子「それじゃ宿に行くか。先に向こうも着いてるかもな」


470 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:08:18.65 ID:KNuYvr830
まどか「せんしゃ!」

店員「お、目の付け所が違うね。これは当店自慢の”レオパルト2”さ!」

ほむら「こんなモン武器屋で売るんじゃないわよ・・・!」

詢子「アンタら随分と金もってたんだねぇ。”フレアの書”を何冊か買っておくか」

ほむら「はい、そうしてくれると私は助かります」

まどか「ママ!せんしゃも買おうよ!」

詢子「ああん、アンタ免許持ってねえだろ?」

まどか「けど・・・」

詢子「駄目だね。まだアンタをそれに乗せるわけには行かない」

ほむら(常識人で良かった)



詢子「だからアタシが乗る!まどか、アンタは装甲の上に乗ってな!」

まどか「せんしゃ!せんしゃ!」

ほむら(駄目だコイツら・・・)


471 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:08:56.07 ID:KNuYvr830
マミ「何か外から特徴的な音がするわ」キュラキュラ

杏子「・・・おい、外を見てみろよ」キュラキュラ

マミ「・・・どうしてアレがここに・・・」キュラキュラ



ほむら「ごめんなさい。止められなかった」

杏子「でも広いところでなら頼りになるし、いいんじゃないか?」

マミ「とはいえ、これから向かう所はダンジョンのはずよね・・・」



詢子「いやー新しい愛車は違うね!」

まどか「せんしゃ!ママのせんしゃ!」

詢子「おっ、そっちにも泥が付いてるよ。まどか、そっちも磨いてくれ」

まどか「うん!」



マミ「これぞ一家の団欒(だんらん)ね」

杏子「いや、ほのぼのとしているけどさぁ」

ほむら「まどか!行かないで!」



詢子「?」

まどか「?」


472 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:10:03.36 ID:KNuYvr830
http://www.nicovideo.jp/watch/sm4393197

マミ「くかー」

杏子「くかー」

まどか「・・・・・・」

詢子「・・・・・・」



まどか「・・・ママ、起きてる?」

詢子「起きてるよ。どうした?」

まどか「あのね・・・」



まどか「えっと・・・」



詢子「ほら、こっち来なよ」

まどか「えっ、違・・・」

詢子「まどかはいつまでも甘えん坊さんだな」



まどか「・・・うん」


473 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:10:44.67 ID:KNuYvr830
 自分の枕を抱きかかえ、娘は母のベッドへと潜り込む。
鹿目まどかがずっと幼かった頃から、久しぶりに見る母の肌着姿。

 その体には、当時にはなかった傷痕がいくつも作られていた。
目に見える両腕に1つずつ残る弾痕と。
そして今の位置からは見えない、背中に刻まれているだろう傷痕。

 それらは、鹿目まどかの目の前で作られたものに違いがなかった。



まどか「ママ、その・・・」



まどか(面と向かって謝れないよぉ・・・)



詢子「言いにくい事ならいいさ」



 ぐい、と頭を寄せられ、娘は母の胸元に顔をうずめる。



詢子「話したくなったら、その時に言ってくれりゃいいよ」



 胸元が濡れてゆくのを感じる母。
彼女はその原因である娘の頭を、いつまでも優しく撫でていた。



ほむら(イイハナシダナー)グスッ

ほむら(今日はパンツ職人を見逃してあげるわ、まどか)


474 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:11:18.95 ID:KNuYvr830
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8268542

--- 最後のダンジョン ---

 そこは最後の街から南に歩くと、すぐに見つかった。
ぽっかりと地表に口を広げるその迷宮の入り口は当然の事ながら、
少女達の乗り物が進入できるほどの大きさではなかった。



詢子「駄目だなぁ。やっぱ戦車じゃ入れそうにないや」キュラキュラ

マミ「そうだ。砲撃で入り口を広げてしまうのはどうかしら?」

まどか「やってみようよ!」

杏子「煽るんじゃねえよバカ・・・」

詢子「そんな事したら入り口が崩れちまうかもしれないだろ?」

マミ「そうでしたね・・・ごめんなさい」

ほむら(常識があるの?ないの?)

まどか「せんしゃ・・・」

詢子「ほら、まどかも行くぞ。急がなきゃな」


475 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:11:48.87 ID:KNuYvr830
ほむら「詢子さん、歩きながらでいいので質問に答えてくれますか?」

詢子「なんだい?」

ほむら「私達はオーディンから、ソウルジェムが何か危険なものだと
 教えられました。ガーディアンではそのような認識を持っていますか?」

詢子「それはソウルジェムの力を使う事が危険だと言いたいのかい?」

ほむら「はい。オーディンは、この宝石が世界中の穢れを溜め込んでいると・・・」

詢子「そういう仕組みだとは知らなかった。けど、この力を利用する事が
 危険なものだと言う事は、なんとなく想像はしていたよ」

マミ「というと?」

詢子「奇跡には代償が付き物だろ」

まどか「・・・・・・」

詢子「アタシはなんとなく、そう思っていたんだ。
 ガーディアンの石頭連中は聞こえなかった振りをしていたけどね」


476 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:12:18.02 ID:KNuYvr830
杏子「穢れは天の柱の世界に集まっているって聞いたけど、
 それがどういう事なのかは?」

詢子「そこまでは分からないね。たださ・・・」



詢子「普通に考えれば、穢れを吸い取る宝石がこの世界中に
 散らばっているって事は、穢れというものが蔓延すると良くないって事だろう?」

詢子「それが天の柱に集まるってなると、
 そのうちに天の柱に何か異常が起きるんじゃないかな」

まどか「異常って・・・」

詢子「そこまではアタシの憶測の話さ。
 ただ、最近になってガーディアンにも新しい研究の成果が見えたんだ」


477 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:12:47.39 ID:KNuYvr830
マミ「それは?」

詢子「過去にこの世界は、1度バラバラになっていたらしい。
 色々な歴史の書物から、それが私達には分かったんだ」

詢子「そしてその時期のあらゆる世界の記録を見ると、
 その時期だけすっぽりとソウルジェムに関する記述がない」

詢子「ソウルジェムと世界がバラバラになっていた事実は、
 どう考えても関係がある事なんだ。アポロンに話した事はウソじゃないんだよ」



ほむら「そんな・・・」

詢子「心配すんなよ」



詢子「アタシ達がソウルジェムを全部集めて、誰も触れないようにしておけば
 そんな心配も必要なくなるだろ。みんな、頑張ろうよ!」



4人「「はい!」」


478 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:13:23.07 ID:KNuYvr830
マミ「あら、何かしら」

杏子「どうした?」

マミ「ほら、ここの壁・・・何か変よ」

詢子「どれどれ・・・」グイッ

ほむら「開いた?」パタン

まどか「隠し通路っていうのかな」

詢子「行ってみるか・・・」



杏子「宝箱があるよ」

マミ「こんな隠し部屋にある宝・・・きっと凄いものだわ!」

まどか「開けてみるね!」

 - エクスカリバーを 手に入れた -

詢子「なんだよ、ネタでも仕込んであれば面白かったのに」

ほむら「これは本当にすごいお宝ね。一振りで敵グループを一度に斬れるわ」

詢子「しかも絶対に折れない剣だ。この面子でなら・・・」

まどか「私、それ使ってもいいかな?」

マミ「そうね、ずっと鹿目さんは範囲攻撃の手段がなかったものね」

杏子「アタシは装備も出来ないし、好きにしなよ」

ほむら「私も構わないわ。お金が有り余っているせいで
 ”フレアの書”を使い放題よ」

詢子「ほら、大事に使えよ」

まどか「ありがとう、みんな!」


479 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:13:56.54 ID:KNuYvr830
詢子「ほら、さっそく魔物が来たぞ」

ほむら「”ニンフ”が4匹ね」

マミ「試しに使ってみましょうよ」

まどか「うん!」

 ニンフは うずしおで
 てきぜんいんを こうげき
 マミさんに 561ダメージ
 まどかに 514ダメージ
 ほむらに 405ダメージ
 きょうこに 349ダメージ
 じゅんこに 377ダメージ

杏子「この能力、結構痛いぞ!」

詢子「何度も食らうとまずいな。早くやっちゃいな!」

 まどかは エクスカリバーで
 ニンフたちを こうげき
 ニンフたちに 764ダメージ
 4たい たおした

まどか「ふう、お待たせ、みんな」

マミ「さすがに強いわね」

ほむら「まどかは力系の武器を使ってこなかったから、
 この手の武器の扱いには慣れていないはずなのに」

詢子「この剣は特別なんだ。非力な者が扱っても、それなりに力を発揮するのさ」

杏子「じゃあ腕力を育てても何もいい事ねーの?」

詢子「そこまでは言わないさ。鍛えれば鍛えるだけ”エクスカリバー”も強くなるよ」

まどか「今からそんなに鍛えられるかなぁ・・・」

マミ「今のままでも十分に強いし、あまり気にする事もないわよ」


480 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:14:32.02 ID:KNuYvr830
ほむら「また宝箱があるわ」

- パワードスーツを 手に入れた -

マミ「誰か着ない?」

まどか「私は”ドラゴンアーマー”の方がいいかなぁ・・・」

詢子「アタシも”バトルスーツ”着ているから、それは装備できないね」



マミ「それじゃあ・・・」ゴソゴソ

杏子「オイ、マミはもう”ドラゴンアーマー”と”関羽の鎧”を重ね着してるだろ!」

まどか「もう無茶ですよ!」

マミ「案外こういうのも着れるものよ」モコモコ

ほむら「本当に着たわね・・・」

詢子「マミちゃん・・・?そこまでやるとデ・・・」
マミ「それ以上は言わないで下さい。私の眠りし右腕が暴れ出します」

詢子「・・・うん」



まどか「鎧3つを重ね着なんて・・・マミさんすごいなぁ」マドマド

杏子「んな事で感心すんなよな・・・」

詢子「いいかい。大人になる前に、間違え方をちゃんと勉強しときな」

まどか「・・・はい」


481 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:15:28.70 ID:KNuYvr830
まどか「あれは!」

杏子「・・・またかよ。大きな宝箱・・・」

ほむら「何度繰り返しても戦車が出てくる。これは因果・・・?」

マミ「はぁ・・・開けるわね」

 - 核爆弾を 手に入れた -

まどか「この宝箱もハズレかぁ」ガッカリ

詢子「ハズレってアンタねぇ・・・」

杏子「まぁ・・・アタリでもないよな・・・」

マミ「どれだけ核爆弾好きな世界なんでしょうね。まさか2つも手に入るなんて」

ほむら「時期が時期だけにネタにし辛いものね。
 あの時の手帳、まだ持っているけど続きを読みましょうか?」

マミ「いらないわ。というよりやめて」


482 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:15:58.97 ID:KNuYvr830
詢子「見えて来たぞ。最後のソウルジェムを守る”デスマシーン”だ」

杏子「なんだあれ、ダセェ」

マミ「お世辞にも格好よくないメカね」

ほむら「いくら言葉が通じないとはいえ、そこまで真実を告げてはかわいそうよ」

まどか「よーし、いくぞ~!」



デスマシーン「・・・・・・」

 デスマシーンは ミサイルで
 てきぜんいんを こうげき
 マミさんに 262ダメージ
 まどかに 262ダメージ
 ほむらに 262ダメージ
 きょうこに 262ダメージ
 じゅんこに 262ダメージ

杏子「いきなりかよ!」

ほむら「”いやしの杖”を使うわ。こんな攻撃、なんともないわよ」キュイーン

マミ「醜い、卑怯、弱い。いいとこなしね」

デスマシーン「!!!」ガランガラン

まどか「メカが何か落としたよ!」



詢子「あれは・・・」


483 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:16:31.29 ID:KNuYvr830
詢子「”核爆弾”じゃねえか!」

マミ「ちょっ!」

杏子「どどどうすんだ!」

ほむら「シェルターあったわよね!早く組み立てを!」

まどか「ええとええと。あった!これだよ!」

詢子「急げ!間に合わなくなっても知らんぞー!」



 どう見てもプレハブ小屋です。本当にありがとうございました。
彼女達は半ば諦めの表情を浮かべ、組み立てたシェルターへと入り込む。

 ドアを閉めて数秒後に、激しい爆音と衝撃が小屋を包み込む。
驚くべき事に、そのシェルターは完全な防御力を持って
5人を守りきって見せていた。


484 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:17:09.55 ID:KNuYvr830
まどか「すごい音がしたね・・・」

ほむら「こんな小屋で防げる爆発だったの・・・」

杏子「おい、窓を見てみろよ。アイツ爆発の衝撃で足が折れてるぜ」

マミ「自爆なんて救いようがないメカね。私を見習って欲しいわ」

詢子「しかしどうしたもんかな。外で核爆発を起こされたんじゃ、
 アタシら外に出れねえぞ」

まどか「ママ、あれ見て・・・」



 鹿目まどかの指差す先に、シェルターの壁面に張られた貼り紙。

 ─── この世界の核爆弾は綺麗な核爆弾です。放射能汚染とかありません ───



杏子「こんなんでいいのか、オイ!」

マミ「セシウムなんて怖くない」

まどか「じゃあ、後はあのメカをやっつけるだけだね」

詢子「ちょうどいいじゃん。アタシらの”核爆弾”、アイツにぶつけちゃおうぜ」

ほむら「目上の人に対してだけど言わせてもらうわ。あなたはどこまで愚かなの」

マミ「あら、いいアイディアじゃない。使っちゃいましょうよ、”核爆弾”」


485 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:17:41.17 ID:KNuYvr830
 そしてシェルターの床に、ごろりと2つの”核爆弾”が置かれる。



詢子「2つもありゃ、いくらあのメカでも吹き飛ぶだろ!」

杏子「それはいいんだけどさ・・・これを外に持ち出して、誰が起爆させるっての?」

まどか「・・・・・・」

ほむら「・・・・・・」

マミ「・・・それは・・・ジャンケンよ!」

詢子「ああ、そうね。ジャンケンで決めよう」

杏子「もうどうにでもな~れ」



5人「「さいしょはグー。じゃんけんぽん」」


486 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:18:20.54 ID:KNuYvr830
マミ「・・・やり直しは・・・」

杏子「無理に決まってんだろ」

マミ「・・・それじゃあ、行ってくるわ」

詢子「ファイトー」

まどか「マミさん、頑張って!」



ほむら「待ちなさい、巴マミ」

マミ「暁美さん・・・」ウルッ



ほむら「まさかとは思うけど、あなた頭突きで爆弾を起爆させようとしていない?」

マミ「え、どうしてそれを」ギクッ

ほむら「あなた昨晩”北斗の拳”を読んでいたじゃない」ファサッ

マミ「天帝軍に囲まれていたのよ!起爆させなきゃみんな死ぬしかないじゃない!」

ほむら「そっちの話はどうでもいいわ。ほら、これを使いなさい」

マミ「これは・・・懐かしい手榴弾」

杏子「爆弾を置く→シェルターに戻る→入り口からぽいっと、てワケだな」

まどか「さすがほむらちゃん!」

詢子「これで若い命を無駄に散らさず済むな!」

マミ「・・・行ってきます」


487 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:19:06.80 ID:KNuYvr830
マミ「・・・・・・」ゴトン

デスマシーン「・・・・・・」

マミ「・・・・・・」ゴトン

デスマシーン「・・・ゴメンナサイ」

マミ「あら、喋れるのね」



デスマシーン「モウコロシマセン。ウマレカワリマス」

マミ「なんだか、かわいそうになってきたわ」

デスマシーン「エンカンノコトワリニミチビカレテ」

マミ「・・・?」ピクッ



デスマシーン「キャハハ!キモーイ!」

マミ「・・・・・・」

デスマシーン「エンカンノコトワリガユルサレルノハチュウガクセイマデヨネー」

マミ「中学生だよチックショー!」ダッ


488 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:19:53.61 ID:KNuYvr830
マミ「ちょっと、閉めないでよ!入れないわよ!」ガチャガチャ

ほむら「ごめんなさい。もうこのシェルターには詰めても1人・・・いえ2人までしか」

マミ「2人も入れるなら入れなさいよ!」ドンドン

杏子「トキィィー!」

まどか「兄さぁぁん!じゃなかったっけ?」

マミ「早く開けないとシェルターごとティロ・フィナるわよ!」

詢子「はいはい、悪ふざけはここまでにしときな」ガチャ

マミ「詢子さぁぁん・・・」グスッ



マミ「それじゃ手榴弾、投げるわよ~」

杏子「すぐ閉めてなー」

マミ「そ~れ」ポイッ



 即座にバタンとドアが閉められる。
続けてシェルターに襲い掛かる爆風と振動。

 次にシェルターの窓の外を見た時には、
”デスマシーン”の姿は跡形も無く消えてしまっていた。


489 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:20:23.50 ID:KNuYvr830
http://www.nicovideo.jp/watch/sm9531436

詢子「いやーすごいな”核爆弾”!」

ほむら「すごいのは、崩れてすらいないこの迷宮だと思います」

杏子「あと、あそこにある壊れていない宝箱もな」

 - ソウルジェム 女神の心臓を手に入れた -

マミ「これでアポロンの目的を阻止できるわね・・・」キリッ

まどか「ううん。アポロンを倒すまでは、まだ終わらない」キリッ

詢子「うっし、これで準備は出来た。あとはアポロンだけだな」

杏子「ソウルジェムはどっかに隠した方がいいんじゃない?」

詢子「いや、これはこのままアタシが持っていく。
 そうしないと、77個のソウルジェムを集めたアポロンには勝てないかもしれない」

ほむら「それだけの力が”女神の心臓”には秘められているのですか?」

詢子「まあな。さ、ここから出るぞ」


490 1 [saga]:2011/07/16(土) 16:20:58.95 ID:KNuYvr830
まどか「せんしゃ、せんしゃ!」

ほむら(そういえば外に置いたままだった・・・)

詢子「さ、みんな乗りな。このまま天の柱まで殴りこむぞ」

杏子「いよいよ最後なんだな」

マミ「そうね。これで冒険が終わると思うと少し寂しいわね」

詢子「そういう台詞はアポロンに勝ってから言うんだね。行くよ!」

まどか「おー!」



 土煙を上げながら、少女達を乗せた”レオパルト2”は荒野を走る。
目指す先は天の柱。そこは巴マミの言う通り、この旅の最後の目的地であった。


491 1 [saga sage]:2011/07/16(土) 16:21:41.01 ID:KNuYvr830



492 1 [saga sage]:2011/07/16(土) 16:24:09.09 ID:KNuYvr830
本日はここまで。ほのぼの(?)パートはきっと終わり。
あと2回くらいの投下でSaGa2も最後になると思います。

デスマシーン撃破後のステータス
ebent3422
ほむほむいやしの杖の回復量が200~400。どうなることやら。

>>450 そういう情報は知らなかったぜサンコス。しかし育てるのだるい!このまま突っ込むぜ!
>>451 ついにここまで「きたぞ きたぞ!」って気持ちでいっぱいです。
>>452 マサムネェ・・・SaGa1ではお世話になったのに。
>>453 サンクス、やる気が出るよ!

あとごめん、こんなトコで聞くもんでもないだろうけど
upろだに乗っけたgifアニメってちゃんと動いてくれるかな。
知ってる方いたら誰か教えてplz。

494 VIPにかわりましてNIPPERがお送りします (福岡県) :2011/07/16(土) 20:00:30.77 ID:1meXbq9lo
くるぞ くるぞ!
読み始めたの途中からだけど、テンポ良く進んで面白いわー
リメイク版の設定は良く知らないけど、秘宝をソウルジェムに改変した部分も
ちゃんと生かされてるところに感動した

495[saga sage]:2011/07/17(日) 14:39:18.74 ID:f5n0l+A50



496[saga]:2011/07/17(日) 14:40:42.43 ID:f5n0l+A50
--- 天の柱 ---

 最後の天の柱のドアを開く。
目に入るものは、ひたすら長く続く上り階段と。

 そのはるか先に見える、水晶で作られた宮殿であった。



マミ「あれは・・・?」

詢子「中央神殿。古き神々が住んでいたと言われる場所さ」

杏子「カミサマってのはどうしてああいう所に住みたがるのかね」

ほむら「アポロンを神様になんてさせない」

まどか「行こう、みんな」



 そうして彼女達は、ひたすら長い階段を歩き出す。

 緊張のために誰もが口を開かない。

 待ち受けるものは、77個のソウルジェムを持った敵。
そして、おそらくは最後の敵となるであろう。

 誰もがそう考えていた。


497[saga]:2011/07/17(日) 14:41:28.58 ID:f5n0l+A50
http://www.nicovideo.jp/watch/nm3696152

--- 中央神殿 ---

 ただただ広い一室でしかない、その神殿。
天井を支える柱と、周囲の星空が見える壁のないその神殿。
中央にエレベータと思われる設備と、奥にはもう1つのドアが見えるその神殿。



 そして、そのドアの前でこちらから背を向けているアポロンの姿。



詢子「アポロン!」

アポロン「大佐、君もしつこい人間だね。何をしに来た?」

詢子「そのソウルジェムを使うな。危険すぎる」

アポロン「やれやれ、そんな事を言うために来たのかい?」

詢子「それを使えば何が起きるか分からねえ。アンタのために言っているんだ」

アポロン「僕のため?君達ガーディアンには昔から騙され続けて来たからね。
 その手は食わないよ」



アポロン「それにもう遅い。ソウルジェムは使い終わった後だ」

詢子「テメェ・・・!」

アポロン「さあ、これから効果があらわれる。君達もそこで眺めているといい」



アポロン「新しき真の神の誕生をね」


498[saga]:2011/07/17(日) 14:41:59.49 ID:f5n0l+A50


「「それじゃ そのまえに あんたをたおす!」」

wgb53245y


499[saga]:2011/07/17(日) 14:42:37.29 ID:f5n0l+A50
アポロン「そう簡単に僕が倒せるかな?」



 佐倉杏子は意識を集中させ、水色の魔力を両手に集める。
それは”ブリザド”の能力となり、アポロンの頭上に氷塊を作り出していた。

 アポロンを氷の魔力が襲い掛かる。
敵に衝突し、粉々に砕け散る氷を見て、佐倉杏子は満足げに呟く。



杏子「へっ、どんなもんだい」



 敵の周囲に輝く光の壁を見て、その笑みは消えてゆく。
中に立っている敵の表情からも、ダメージを与えられなかった事が理解できる。

 アポロンの左手には、ソウルジェム”イージスの盾”が握られていたのだ。



 マミさんは ビームライフルで
 アポロンを こうげき
 アポロンに 387のダメージ


500[saga]:2011/07/17(日) 14:43:17.77 ID:f5n0l+A50
アポロン「このイージスの盾で、君らの攻撃を防ぐよ」



 鹿目詢子が”ディフェンダー”の剣を右手に握り締め
光の壁へと向けて斬りかかる。

 だが、その盾の防御効果は誰もが知っていた。
激しい金属音と飛び散る火花からも、
決して鹿目詢子が非力なのではない事が分かる。

 それでも、その剣は光の壁を貫く事が出来なかったのだ。



詢子「くっそ、どうすりゃいいんだ・・・」



 マミさんは ビームライフルで
 アポロンを こうげき
 アポロンに 349のダメージ


501[saga]:2011/07/17(日) 14:43:45.83 ID:f5n0l+A50
アポロン「僕には比類なき魔力が身についた」



 暁美ほむらが”フレアの書”を手に取り
パラパラとページをめくり出す。

 ただ光の壁の奥で話を続け、
自分達を見下しているこの敵に一泡吹かせてやろう。

 そう考えていた彼女は、敵が攻撃をしてこないのをいい事に
たっぷりと時間をかけて魔力を集中させ、そして能力を発動させる。

 光の壁の前方に集まる、赤色の魔力。
ベストの位置で”フレア”を発動させられた事に、彼女はふっと微笑む。



 そして続く轟音と爆発。

 炎の渦がイージスの光を呑み込む。



 消えてゆく炎を眺めながら、
暁美ほむらは自身の非力さを思い知る事になる。

自らの生み出した炎は、
光の壁の表面をなでるように奥へと消えて行ったのだ。



ほむら「化け物・・・!」



 マミさんは ビームライフルで
 アポロンを こうげき
 アポロンに 351のダメージ


502[saga]:2011/07/17(日) 14:44:17.30 ID:f5n0l+A50
 鹿目まどかが”エクスカリバー”を右手に構え、
アポロンに向けて突進する。

 その剣は光の壁を貫通し、切っ先をアポロンの顔に向けていた。

 惜しむべきは、剣をより光の奥へと突き立てる事が出来なかった事。



まどか「あと少しなのに・・・!」



 そう呟いた瞬間、光の壁はぐんとその大きさを増す。
それに押し出されるように、鹿目まどかは後方へ吹き飛ばされていた。



 光の壁はそれを持って消滅する。

 中に立っていたアポロンの額から、真っ赤な血が流れ出していた。

 そのダメージを意に介す事もなく、彼は両手に1つずつのソウルジェムを握りしめ。

 

 それを天に向けながら叫ぶ。



アポロン「マサムネの切れ味を君らの体で味わうといい!」



 その叫びと共に、アポロンの体が痙攣を起こし始める。
やがて彼の体は、眩い輝きに包まれて・・・


503[saga]:2011/07/17(日) 14:45:14.38 ID:f5n0l+A50
http://www.nicovideo.jp/watch/sm11635250

「きたぞ きたぞ!」

rbn345n


504[saga]:2011/07/17(日) 14:45:47.77 ID:f5n0l+A50
マミ「なんて姿なの・・・」

ほむら「あんなものが、アイツの望んだ結末だと言うの?」

杏子「何であれ、ぶっ飛ばすだけさ!」

まどか「みんな・・・!」

詢子「あれを止められるのはアタシ達だけだ!死んでも倒れるなよ!」



 イージスの光は消えたままであった。

先陣を切って攻撃を加えた鹿目まどかは、
アポロンを何事もなく切りつける。

それを見た残りの4人も、
それぞれが自身の持つ最高の攻撃手段をアポロンへと向ける。



 ”竜巻”の能力がアポロンを切り刻む。

 ”ビームライフル”の光線がアポロンを貫く。

 ”フレア”の爆発がアポロンを包み込む。

 ”ディフェンダー”の刃がアポロンの腕を切断する。



 攻撃が届く。そしてダメージを与えている。
その事実に彼女達は希望を持つ。

 腕を落とした事で、敵は”イージスの盾”を
取り落としていたからだ。


505[saga]:2011/07/17(日) 14:46:25.67 ID:f5n0l+A50
 しかし、刻まれた傷が消える。空けられた風穴が塞がってゆく。
切断された腕が体内から再生してゆく。

 全員がそれを見て、持ち始めた希望がぬか喜びだった事を知る。



アポロン「では、そろそろいくか!」



 その動きを目で追う事が出来なかった。
気付いた時には、光の刀は何重にも着込んだ鎧を易々と貫き、
巴マミの体を串刺しにしていた。



まどか「マミさん!」

アポロン「いかがかな?」



 血を流している事からも、彼女の口の中には鉄の味が広がっているだろう。
それでも、不敵に笑う巴マミはこうやり返す。



マミ「こんなもの・・・オーディンの攻撃の方が・・・」


506[saga]:2011/07/17(日) 14:46:52.37 ID:f5n0l+A50
アポロン「それならこれも付けてあげよう。よく味わうといいよ」



 ”マサムネ”を握るその両手に、赤色の魔力の光が集まりだす。
それが何を意味するのか、その能力の使い手である少女は叫ぶ。



ほむら「伏せて!」



 時はすでに遅く。”フレア”の能力は発動され、
焼けるような熱と、彼女達を軽々と吹き飛ばす爆風が全員を襲い掛かっていた。

 幸か不幸か、その爆風によって吹き飛ばされた巴マミは
体から光の刀身を抜かれ、神殿の柱へと叩き付けられる。

 その場に血の池が作られる。

 そして彼女が立ち上がる事はなかった。


507[saga]:2011/07/17(日) 14:47:18.65 ID:f5n0l+A50
 残された4人も”フレア”のダメージのために
なかなか立ち上がる事が出来ない。

そんな彼女達を見下ろしながら、アポロンは満足げに話す。



アポロン「素晴らしい力だね。素晴らしいが、これでは拍子抜けだよ」

詢子「ほむら、”いやしの杖”を!」

ほむら「はい・・・!」



 鹿目詢子と暁美ほむら、2本ぶんの”いやしの杖”の回復の光に包まれ
彼女達は再び立ち上がる。



アポロン「いいね。力をもっと試したいから、その調子で頑張って欲しいな」

杏子「ナメてんじゃねぇぞ!」

アポロン「僕はこれから”マサムネ”と”フレア”を順番に使うと宣言してあげるよ」

まどか「いい加減にして!」


508[saga]:2011/07/17(日) 14:47:50.13 ID:f5n0l+A50
 宣言通りに、アポロンは”マサムネ”の刃を
2番目に立っていた鹿目まどかに向ける。

 大きく振り上げられた光の刀を受け止めるべく、
”エクスカリバー”を横向きにして腕を突き出す。

 常識的に考えれば”エクスカリバー”の刃は
”マサムネ”とぶつかり合うはずであった。

 光の刃は鈍く輝く”エクスカリバー”をすり抜け、
彼女の着ている鎧さえもすり抜けてその身を刻む。



まどか「・・・ったい・・・」

ほむら「まどか!」

杏子「倒れるんじゃねえぞ!」



 2人が同時に”ケアル”の発動のために、魔力を集中させる。



 そのような初歩の能力の発動さえ、
アポロンの次の行動の隙に割り込む事は出来なかった。


509[saga]:2011/07/17(日) 14:48:16.54 ID:f5n0l+A50
 続けて鹿目まどかの目前に集まる赤色の魔力。
それを見続けながら、自分が助からないであろう事を感じて
ぐっと歯を食いしばる。



 目に映るものが白一色の世界に。

 それを最後に見た鹿目まどかも、くるくると漫画のように
体を回転させながら宙を舞う。

 彼女が叩き落された地点には、やはり赤い水溜りが生まれる。
”マサムネ”に刻まれたものは、それだけ深い傷痕となっていた。



 残りの3人もまた、爆風に吹き飛ばされて
地面に這い蹲りながら、その鹿目まどかを見つめていた。



ほむら「まどかっ!!」

詢子「落ち着け!自分の傷を治す事に集中しろ!」

杏子「どうしろってんだよ、こんなの・・・!」


510[saga]:2011/07/17(日) 14:48:47.59 ID:f5n0l+A50
アポロン「もう降参するかい?」



 鹿目詢子は、ぺっ、と血の混じった唾を吐く。

 残りの2名もそのような下品な表現こそしなかったが、
徹底抗戦の意思をその瞳に込め続けている。



アポロン「どちらにしろ、君達の短い人生はここで終わりだけどね」



詢子「何にしろ、攻めなきゃ勝てねぇ。杏子ちゃん、アンタは”ケアル”の準備を」

杏子「ああ」

詢子「ほむらちゃん、アンタは”いやしの杖”に魔力を込め続けて。
 いつでも発動できるように」

ほむら「分かりました」


511[saga]:2011/07/17(日) 14:49:19.23 ID:f5n0l+A50
 次の標的は、やはり3番目に立っていた暁美ほむら。
彼女はアポロンと目があった瞬間に、覚悟を決める。


 避けられるものではない。

 ならば、仲間の回復を信じる。

 そう考えた瞬間には、自身に焼け付く痛みが残されていた。
腹のあたりを貫く光の刀。

 カラン、と音を立て、手に持っていた”いやしの杖”が床に落ちる。


詢子「ッラァ!」



 その動きの止まった瞬間を逃さず、”ディフェンダー”の刃は
アポロンの胸に横一文字の傷を作り出す。

 そのダメージに驚いたためか、よろめきながら後ずさるアポロン。



杏子「待ってろ、ケアル!」キュイーン

ほむら「・・・全く、何度も受けたくないものね」


512[saga]:2011/07/17(日) 14:49:49.60 ID:f5n0l+A50
アポロン「なかなか痛いなぁ。さすがは大佐だよ」



 その声からは、動揺などは全く感じられなかった。

 最初の攻撃の時と同じように、胸に作られた傷は
煙を上げながら自動的に修復されていたのだ。



詢子「ほむら、グズグズすんな!」



 言われるまでもなく、取り落とした”いやしの杖”を拾う暁美ほむら。
その回復能力の発動を待つ事なく、彼女達の立ち位置の中央に
赤色の魔力が集まりだしていた。



ほむら(間に合って・・・!)



 願いは虚しく、続けて襲い掛かる爆発音に掻き消される。

 またこれか、と嫌になりながらも彼女達の体は宙を舞う。
”ケアル”を受けて体力を回復させていた暁美ほむらと
他の少女達より体力のあった鹿目詢子には意識が残されていた。

 

 だが、その前に受けた”フレア”のダメージを治療できていなかった
佐倉杏子が、今度は倒れたまま動かなくなってしまう。


513[saga]:2011/07/17(日) 14:50:20.52 ID:f5n0l+A50
ほむら「佐倉・・・」

 言葉は終わりまで告げることが出来ない。
再び暁美ほむらの目の前に現われるアポロン。

 そうと気付いた頃には、視界は暗闇に覆われる。
”マサムネ”の刃は、彼女の意識を完全に断ち切っていた。



 その光の刀が暁美ほむらの体から抜かれる。
崩れ落ちる彼女を見て、アポロンが笑う。



アポロン「ふっふふふふ。本当に愉快だよ」

詢子「こんなガキ共を蹴散らして愉快だ?笑わせんな!」

アポロン「そんな次元の話はしていないさ。見ておくれよ」



アポロン「これが真の神の力だよ!笑わずにいられるかい!」


514[saga]:2011/07/17(日) 14:51:11.15 ID:f5n0l+A50
 唯一人、残された鹿目詢子の目の前に赤い光が集まる。

 最後に残された敵に終焉を与えるべく、
アポロンは”フレア”の詠唱を始めていた。



アポロン「さようなら、大佐」



詢子(頼むよ・・・!)



 78個目のソウルジェムが、彼女の手の中で輝く。

 その手の平を開くと共に、宝石から天井へと向かう光。



 その様子を見ていたアポロンは”フレア”の詠唱を止める。



アポロン「大佐・・・それはまさか・・・!」



 光が生まれたのは”女神の心臓”からだけではなかった。
その神殿の地面、それも一箇所や二箇所だけではない。

 数え切れないほどの光の筋が、床から天へと向かっていた。


515[saga]:2011/07/17(日) 14:51:42.98 ID:f5n0l+A50
 中央神殿の床に横たわっていた少女達が、
その光に体を貫かれる。



 アポロンはその様子を見ながら目を丸くしていた。

 自らが死の淵に追いやった4人の敵が、
ゆっくりと体を起こしてゆくのを見ていたからであった。



アポロン「その力・・・ソウルジェムのものだね」

詢子「答える必要はねえ」



 起き上がり、武器を構えなおした少女達が
鹿目詢子のもとへ集まる。

 そんな彼女達の目には、怯えの色が映っていた。

 倒れていた全員が、真の神となりつつある敵の力を
その身に叩き込まれていたのだ。


516[saga]:2011/07/17(日) 14:52:10.08 ID:f5n0l+A50
 その様子を見逃さず、アポロンは続ける。



アポロン「78個目のソウルジェムが存在するなんて、本当に知らなかった」

詢子「そりゃそうさ。アタシらガーディアンのトップシークレットだからね」

アポロン「その存在を教えてくれた事に感謝をしよう」



アポロン「どうだい。そのソウルジェムを渡してくれれば、君達の無礼を忘れよう」

マミ「どういう事・・・?」

アポロン「見逃してあげよう、そう言っているのさ」

ほむら「・・・・・・」

アポロン「君達だって長生きしたいだろう?」

杏子「・・・チクショウ」

アポロン「僕という神の治める世界で、平穏に暮らすのも悪くないんじゃないかな」

まどか「そんなの・・・!」


517[saga]:2011/07/17(日) 14:52:41.22 ID:f5n0l+A50
詢子「アイツの嘘に踊らされてんじゃねえぞ!!」



まどか「ママ・・・」

詢子「アイツが平穏な世界を作り出すだと!そんなもの信じられるか!」



詢子「アイツの言う事を聞こうと考えた奴はこっちに来な!
 アタシが気合を入れなおしてやる!!」



アポロン「そうして君は娘達の命をも危険に晒すつもりかい?」

詢子「テメェの考えなんてお見通しなんだよ・・・!」



 アポロンはそこで自分の作戦が失敗に終わった事を理解する。
鹿目詢子に気合を入れられるまでもなく。

 その場の全員の目からは、恐怖の色など無くなっていたのだ。


518[saga]:2011/07/17(日) 14:53:15.67 ID:f5n0l+A50
アポロン「・・・さすがは大佐だね。そう、最初から殺して奪い取るつもりさ」

詢子「こっちは何年もテメェの事を調べて来たんだ」

アポロン「それは光栄だよ。このやり方なら人心を掌握できるかと思ったんだけど・・・」



アポロン「まだまだ考える余地があるようだね」

詢子「んなもんねえよ。テメェはここで終わりだ!」

アポロン「これだけの差を見せ付けられて、まだ勝てるとでも?ふっふふふふ」



 笑いながら、アポロンは中断していた”フレア”の詠唱を始める。

 鹿目詢子の眼前に集まる赤色の魔力は、これまでと同じように
熱と光と風を5人に向けて送り出す。

 

 しかし、今回は全員がそれに耐える事が出来た。

 ソウルジェム”女神の心臓”は、全員の体力を一時的にとはいえ
戦闘を始める前の元気な状態に戻していたのだ。


519[saga]:2011/07/17(日) 14:54:01.60 ID:f5n0l+A50
詢子「ほむら、杏子!アンタらはさっき言った通り回復の手を休めるな!」

詢子「残りはアタシに続け!攻撃を続けろ!」

4人「「はい!」」



 ”いやしの杖”の光が、全員を包み込む。

 最前列に立っている巴マミを包む光だけは、佐倉杏子の
”ケアル”の能力によって一層と強くなっていた。

 続けて”ディフェンダー”を構えた鹿目詢子が
アポロンの体を右肩口から斜めに切り裂く。

 その逆方向、左肩口から振り下ろされる
鹿目まどかの”エクスカリバー”がアポロンの体に十字を描く。



マミ「行くわよ・・・」

マミ「ティロ・フィナーレ!」



 その十字の中心を狙い”ビームライフル”の光が放たれる。
アポロンには大きな空洞を空けられ、そこから勢いよく血液が噴き出す。


520[saga]:2011/07/17(日) 14:54:27.56 ID:f5n0l+A50
 傷は修復を始めていたものの、先ほどまでとは違い
なかなかその穴が塞がる事はなかった。



アポロン「やってくれるね。今度こそ黄泉の世界に送り届けるよ」



 先ほどの状況の再現を行うかのように、アポロンは姿を消す。
それが現われた瞬間には、すでに巴マミの鎧を貫く”マサムネ”。



ほむら「させないっ!」



 暁美ほむらは”いやしの杖”に魔力を込める。



 その杖は回復の光を生み出す事なく、粉々に砕け散ってしまう。

 度重なる連続使用に、”いやしの杖”は耐える事が出来なかったのだ。


521[saga]:2011/07/17(日) 14:55:00.10 ID:f5n0l+A50
 その様子を見ていた鹿目詢子は、手に持つ剣を捨て
”いやしの杖”を取り出す。



 最後の全体回復役が倒れないようにすべく、
佐倉杏子は”ケアル”の能力を鹿目詢子に向け。

 そして暁美ほむらは”ケアル”の能力を巴マミに向けていた。



 ”フレア”を一撃受けただけの鹿目詢子はそれで全快していたが
”フレア”と”マサムネ”を続けて受けた巴マミはそうではなかった。


 
 鹿目詢子は”いやしの杖”を握りながら、心の中で祈り続ける。



詢子(早くしろ、早く・・・!)



 祈りは届かず。

 次なる赤色の魔力は、すでに彼女達の中心に生み出されていた。


522[saga]:2011/07/17(日) 14:55:28.86 ID:f5n0l+A50
 爆風に吹き飛ばされないよう、足に力を込めながら
鹿目詢子は”いやしの杖”の能力を発動させる。



 その光が包み込めたのは、杖を使用した本人と
かろうじて”フレア”に耐える事が出来た鹿目まどかの2人。

 残りの3人は、再び中央神殿の床を舐めていた。



アポロン「ここまでのようだね。そろそろおしまいにしようか」



詢子「まどか・・・」

まどか「・・・何?」

詢子「まだヤツの傷は塞がっていない。アンタ、”ガラスの剣”を持ってるだろ」



 母の意図を理解し、娘は頷く。

 母はそれを見て頷き返す。


523[saga]:2011/07/17(日) 14:55:59.14 ID:f5n0l+A50
 これが最後の攻撃になるのかもしれない。

 そう考えながら、”ガラスの剣”を握り締めて
鹿目まどかは走り出す。



 その攻撃を待ち構えていたかのように、
”マサムネ”の刃は輝きながら振り下ろされる。

 そうと気付いた時には、彼女は自身の勢いを止められなかった。



まどか「お願い!」



 願いは届き。

 ”ビームライフル”によってアポロンに空けられた空洞に
”ガラスの剣”は突き刺さる。

 剣を握る鹿目まどかの隣に、
”マサムネ”の刃をその身で受け止める鹿目詢子。

 その姿を見て、自分の攻撃が成功した原因を知る鹿目まどか。



 やがて”ガラスの剣”は、アポロンの体内で粉々に砕け散る。

 そうしてアポロンの肉体には、より大きな空洞が生まれていた。
もはや体を支える骨格しか残っていないと思えるほどの。


524[saga]:2011/07/17(日) 14:56:31.48 ID:f5n0l+A50
まどか「ママ!」

詢子「やった・・・な・・・」



アポロン「ふっふふふふ」



 それだけの傷を受けながら、なお笑い続けるアポロン。

 その声を聞いた2人の顔には、ハッキリと絶望の色が浮かび上がっていた。



アポロン「ここまでやったご褒美をあげようか」



 アポロンの左手に白色の魔力が集まる。

 出来上がったものは、大きな手。



アポロン「古き神々が使っていたと言われる能力。受け取るといい」


525[saga]:2011/07/17(日) 14:57:28.85 ID:f5n0l+A50
 白く大きな神の手は大きく開かれて。
その手のひらに鹿目まどかの体は吸い込まれてゆく。



詢子「まどかっ!!」

まどか「ママ、ママ!」



 ゴキン───



 能力、と呼ぶにはあまりにも荒々しいその力。



 神の手に握りつぶされた鹿目まどかは、
その白い魔力が消えると同時に床に崩れ落ちる。



詢子「まどか!!」



 血を吐きながら娘の名を叫ぶ。

 その問いかけに、少女は答える事が出来なかった。


526[saga]:2011/07/17(日) 14:58:16.29 ID:f5n0l+A50
アポロン「今度こそさようならだね。君の事は憎かったが、
 今となってはいい思い出になってくれそうだよ」

詢子「・・・チクショウ・・・」



 再び白色の魔力を集めながら、アポロンは続ける。



アポロン「娘と同じ末路を辿るといい。
 君達人間の価値観からすれば、それは本望だろう?」



 神の手は大きく開かれる。



詢子(ここまで、か・・・)



 ゆっくりと手の中に吸い込まれてゆく鹿目詢子。



 だが、彼女を吸い込もうとする力は急に途絶え、
鹿目詢子の体は床に力なく落とされる。



 そこで彼女が目にした爆発。
それはこれまでに散々見せ付けられた”フレア”の爆発ではなかった。


527[saga]:2011/07/17(日) 14:58:55.48 ID:f5n0l+A50
wgwbt42a

アポロン「な、何だこれは!」



 小さく爆発を起こしながら、崩れ落ちるアポロンの肉体。



アポロン「僕の体が!何が起こったんだい!」

詢子「1つ足りないソウルジェムで神になろうとしたからさ。
 テメェもこれで終わりだな」



 そうと知っていたわけではないが、鹿目詢子はそう答える。
そうとしか、目の前で起きている現象の説明が付かなかったからだ。



アポロン「くそ・・・謀ったな、大佐・・・!」


528[saga]:2011/07/17(日) 14:59:34.80 ID:f5n0l+A50
sb24has

アポロン「から・・・だ・・・が・・・くず・・・れ・・・る・・・」



 アポロンの体内に赤色の魔力が集まり続ける。
彼の得意とする”フレア”の能力が、暴走を始めていたのだ。



詢子「ゲボッ・・・」



 血を吐きながら、鹿目詢子は周囲を見渡す。
先の”フレア”の爆風で吹き飛ばされていた3人は、
遠くで横たわっていたままであった。

 だが、娘はアポロンのすぐ側にいる。

 今にも爆発を起こしそうなアポロンのすぐ側に。



詢子(・・・まどか・・・)



 そして部屋は一面の光に包まれる。

 身を焼く熱と耳に残る轟音。



 それは鹿目詢子が最後に感じ取ったものであった。


529[saga]:2011/07/17(日) 15:00:11.14 ID:f5n0l+A50



530[saga]:2011/07/17(日) 15:01:00.15 ID:f5n0l+A50
http://www.nicovideo.jp/watch/sm8107732

まどか「う・・・ん・・・」



 体に揺れを感じて、鹿目まどかが目を覚ます。
ビーナスの世界に居た時に味わったような、長く続く地震。

 しばらくの間は、それが止まらないかと願いながら
言う事を聞かない体を懸命に動かそうとしていた。



 やがて、彼女は自分が起き上がれない理由に気が付く。

 自身の体に覆いかぶさっている何か。



 アポロンの最後の爆発から娘を守ったもの。



 それは鹿目詢子の体、そのものであった。


531[saga]:2011/07/17(日) 15:01:29.29 ID:f5n0l+A50
 そして母の体は、ゆっくりと光に包まれる。



まどか「ママ!」



 光の中で、その肉体は足から少しずつ消えてゆく。
さらさらとこぼれ落ちる砂のように。



まどか「行かないで!」



まどか「私、まだママに謝ってないんだよ!!」



 その叫びを聞いて、倒れていた3人も目を覚ます。
彼女達が目にしたものは、もう胸元までしか残っていない鹿目詢子。



まどか「パパと約束したんだよ!必ずママと一緒に・・・」



 両手に抱いていた母の顔。
それは砂の欠片となって鹿目まどかの手からこぼれ落ちてゆく。



まどか「・・・一緒に帰るって・・・」


532[saga]:2011/07/17(日) 15:02:05.89 ID:f5n0l+A50
 残されたものは何もなかった。



 肩を震わせる鹿目まどかの後ろ姿。

 残された3人がそれを見つめているうちに、
中央神殿の床に光が生まれ出す。



 アポロンの持っていたものと、鹿目詢子の持っていたもの。

 光はソウルジェムの形を取り、78個全てが綺麗に整列して並べられていた。



ほむら「何とか出来ないの?これじゃ酷過ぎる・・・」

杏子「ソウルジェム・・・」



杏子「ソウルジェムの力を使えば、何とかなるんじゃないか?」

マミ「・・・でも、この揺れを見て。
 アポロンがソウルジェムを使ったのと、きっと何か関係があるんだわ」


533[saga]:2011/07/17(日) 15:02:40.71 ID:f5n0l+A50
杏子「仕方ないだろ。そうするしかねえんだよ!」

ほむら「・・・やりましょう」

まどか「みんな・・・」

マミ「・・・鹿目さん、ここまであなたについて来たんですもの。
 あなたに任せるわ」



まどか「・・・うん」



まどか「ごめんね、ママ」



まどか「・・・私はソウルジェムの力を使う」


534[saga]:2011/07/17(日) 15:03:23.05 ID:f5n0l+A50



 整列されたソウルジェムの前に立ち、
鹿目まどかは目を瞑り祈りだす。



 残された3人もそれぞれの場所に立ち、
ソウルジェムを四方から囲うように祈りだす。



 奇跡が起きる事を信じて。


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