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唯「幼年期の終りに星を継ぐものは王子さま」

2010/08/22 13:00 | CM(0) | けいおん! SS
1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 20:49:48.16 ID:N1te9Nkt0
 オカ研 部室

麿眉毛の子(以下、麿子)「ついに、このときがやってきた……」

ハマーン様の髪型の子(以下、ハマーン様)「もう私たちに出来ることは何も無い」

麿子「あとは、皆が気づいてくれるのを待つだけ」

ハマーン様「私たちの努力を無駄にしないためにも必ず成功させなくては」

麿子「奴らの好きなようにはさせない」

ハマーン様「人類を救うために」






    「この地球を守るために……!!」


3 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 20:52:38.83 ID:N1te9Nkt0
 軽音部 部室

律「いや~、学祭も終わって、私たちの軽音部の活動にも一区切りがついたな」

紬「文化系クラブが関わる最後の学校行事だもんね」

梓「これで、もう先輩方とは舞台上で演奏出来ないかと思うと……
  少し寂しくなります……」

唯「そんなことないよ、あずにゃん!
  あずにゃんが望めば、私はいつだってここにきてあずにゃんと演奏するよ!」

梓「唯先輩……」

澪「まぁ、機会があれば前みたいに小さなライブハウスでやることもあるだろうし
  私たちが大学に入ってからでも、集まってセッションすればいいじゃないか」

紬「そうよ、あずさちゃん。それにまだ卒業まで時間があるんだから
  それまでに沢山演奏しましょ」

梓「……はい!」

4 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 20:55:33.95 ID:N1te9Nkt0
律「あ~、でも、学祭終わると現実が襲ってくるよな~」

唯「ああっ! 中間テストに受験勉強!」

律「私たちは受験戦争という名の戦場へ駆り出されるのだ!」

紬「でも、今まで受験勉強してきてたなら今回の中間テストは大丈夫よ、きっと」

澪「その今までの受験勉強をシッカリとしてこなかったから、こんなに焦ってるんだろうな」

梓「唯先輩と律先輩、私と同じ学年になったりなんて無いですよね?」

澪「さすがにそれは無いだろうけど……」

紬「問題は、現役で合格できるかどうかよね」

唯「E判定のEは『良い感じ』の『E』!」

律「そのとーり! 唯は良いこと言った!」

梓「本当に大丈夫なんですかね……」

5 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 21:00:12.73 ID:N1te9Nkt0
澪「唯も律もやれば出来るんだから」

紬「そうそう、特に唯ちゃんは前回の期末テストですごかったじゃない」

律「その、やろうって気にならないんだよな~、一人で勉強しようとしても」

唯「やれば出来るは魔法の合言葉!」

律「私たちは魔法使いじゃないので、やらないし出来ません!」

澪「意味を取り違えるな!」

梓「桜高(ここ)にいるから出会えたわけですもんね」

澪「梓も乗っかるなよ」

梓「すみません……つい」

紬「一人で勉強やる気になれないんだったら、皆で一緒に勉強すればいいんじゃない?」

律「おお~、そうだな~。ムギ、ナイスアイデア!」

澪「私は正直言うと一人の方が捗るんだけど……」

7 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 21:06:24.78 ID:N1te9Nkt0
律「ええ~……、澪は私や唯が浪人になってもいいってわけか……」

澪「そういうわけじゃないけど……」

律「澪は私たちが現役合格できるように面倒を見る義務がある!」

澪「そんな義理はない!」

紬「まぁまぁ、澪ちゃん。勉強を教える側も今まで勉強してきたことの
  再確認が出来るわけだし、私たちにとっても無駄じゃないと思うの」

紬「それに、人に教えるには3倍理解してなきゃいけないって言うし
  その点でも、教えようとすることで、さらに理解を深めることが出来るわ」

澪「そ、そうか……、そう言われれば教えるには自分でやる以上に頭を使うもんな」

梓(ムギ先輩上手いな~)

紬「じゃあ、決まりね」

8 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 21:09:41.73 ID:N1te9Nkt0
澪「場所はどこにする? 夏休みのときみたいに図書館にしようか?」

唯「うち使ってもいいよ」

律「出ました! 皆で集まるにはもってこいの平沢家!」

澪「なんだかいつも悪いな」

唯「いいんだよ~、図書館だと空調が効きすぎてて私苦手だし」

律「それに、騒げないしな!」

澪「勉強するんだから騒ぐ必要ないだろ!」

紬「だったら、お土産に美味しいケーキ沢山持っていくわね。図書館じゃ飲食禁止だったし」

唯「ムギちゃん悪いね~」ニヤリ

梓(これが狙いか……)

9 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 21:13:56.57 ID:N1te9Nkt0
律「はぁ~……勉強か~。これさえなければ高校生活も薔薇色なんだけどなぁ」

澪「勉強がなかったら高校じゃないだろ」

律「もっと学祭の雰囲気に浸っていたかった!」

紬「学校でお泊り楽しかったわ~」

唯「なんか青春って感じだったよね!」

梓「確かに、あの体験は今だからこそのものですよね」

律「それに普段交流がないような部とも親交を深めることができたし」

紬「オカルト研究会の子たちね」

唯「キャトルミューティレーションの考察って見てきたけど
  結構ちゃんとしてたよね~」

梓「宇宙人が研究用に家畜をさらうってやつですね」

紬「何のためにそんなことするのかしら?」

律「その辺のことも色々と展示物の中に書いてあったけど
  澪が怖がってすぐ出てきちゃったから、詳しく見れなかったんだよなぁ」

澪「だ、だって……、その後は私たちのライブもあったんだから
  準備だってしなきゃいけなかったし……」

律「はいはい、そういうことにしときますか」

10 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 21:18:13.67 ID:zVwrM7x5O
前フリなげーぞ!

11 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 21:18:41.84 ID:N1te9Nkt0
梓「でも、確かにオカ研って、そこだけあの学祭の雰囲気から切り取ったような感じでしたよね」

唯「あんまり見に来る人もいないようだったもんね」

澪「あの二人には悪いけど、ちょっと異質だったよな」

紬「そうかしら? お化け屋敷みたいで楽しかったわ」

澪「お化け屋敷なんかはお化け役の人も驚かすことで楽しんでる雰囲気が伝わってくるんだけど
  オカ研はなんかあまりにも真面目でふざけた感じがなかったから余計に異様に思えるんだよ」

律「あ~、それはあるな」

梓「私が質問したら、ずっと解説してくれたんですけど、正直言うとそれも怖かったです」

律「なんかすっごい必死だったよな」

澪「うん、それがちょっと気持ち悪いって言うか……」

唯「酷いよ! そんなこと言ったら!」

紬「唯ちゃん?」

12 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 21:25:52.33 ID:N1te9Nkt0
唯「それだけ必死になってやってる人のことを気持ち悪いって言うなんて」

唯「だったら、私たちだって必死に練習してライブを成功させたけど」

唯「その必死の練習も気持ち悪いって言うの!?」

澪「うん、そうだな。ごめん……、唯の言うとおりだ」

澪「誰でも必死になってる人を気持ち悪いなんて言って良いことなんてないよな」

澪「そんな考えをしている私の方が恥ずかしいよ……」

梓「私も、自分の考えを悔い改めます……」

唯「わかってくれればいいんだよ~」

律「まさか唯に説教くらわされる日が来るとは……」

紬「唯ちゃんオカ研の子から牛の人形とUFOの模型貰ってたもんね」

唯「すごく可愛いんだよ~♪」

梓「あれっ? 賄賂?」

13 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 21:33:06.15 ID:N1te9Nkt0
律「そー言えばさ、オカ研がなんで二人なのに部として認められているか知ってるか?」

紬「そういえば……、なんでかしら?」

律「どうやらさ、去年まではちゃんと4人以上いたらしいんだよ」

律「でも、原因不明の事故やら失踪やらが起きて、結局残ったのは二人だけになったんだってさ」

澪「お、おい! デタラメなことを言うな!」

梓「それだったら、私も聞いたことあります」

澪「あ、梓まで!?」

梓「なんでも、その謎を解明するために学校側も活動を許可してるんだとか」

紬「なるほど。消えた部員を取り戻すために日夜謎と戦い続けているのね!」

唯「秘密部隊みたいでかっこいいね!」

14 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 21:36:31.60 ID:N1te9Nkt0
律「まぁ、その噂自体もオカ研が流してるって説が有力らしいけど……」

唯「さすがオカ研、雰囲気作りには余念が無いね」

澪「そんなとこだろうと思ったよ……生徒が失踪するなんてあるわけないって」

紬「でも、澪ちゃんさっきからずっと私の手を握りっぱなしだったわね」

梓「やっぱり恐いんじゃないですか?」

澪「ち、違う!」

唯「じゃあ、なんで、ムギちゃんの手を握ってるの?」

澪「そ、それは……」

紬「うふふ。澪ちゃん、私だったらいつでもOKよ」

澪「なにが!?」

15 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 21:40:43.52 ID:N1te9Nkt0
 オカ研 部室

麿子「奴らは高度な知能を持っている……」

ハマーン様「私たちは所詮奴らのペット」

麿子「でも、ただ飼われているだけじゃない」

ハマーン様「こうやって『気づいた者』がここにいる」

麿子「でも、それは奴らも気づいているはず」

ハマーン様「だから、ああやって様子を伺っている」

麿子「あの厚い雲の上、奴らは今か今かと機会を狙っている」

ハマーン様「奴らが攻めに転じる一瞬が唯一の反撃のチャンス」

麿子「彼女の犠牲を無駄にしないために」

ハマーン様「最善を尽くすまで」

麿子「待ってろオーバーロード……」

16 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 21:44:35.71 ID:N1te9Nkt0
 平沢家

唯「でね~、今度うちでまた勉強会開くことになってさ~」

憂「そっか~、中間テスト近いもんね」

唯「部活動禁止期間ももうすぐだからね~」

憂「だったら私も梓ちゃんや純ちゃんたちと一緒に勉強会開こうかな」

唯「それがいいよ~」

憂「朝からみっちり勉強だね、お姉ちゃん」

唯「私たちは昼からする予定だけどね」

憂「そうなんだ」

唯「だって、折角の休日なんだから昼まで寝ていたいんだよ~」

憂(お姉ちゃんの希望が通ったんだね……)

17 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 21:49:20.77 ID:N1te9Nkt0
 翌日 2年1組教室 お昼休み

憂「だからね、私たちも勉強会しない?」

梓「うん、いいかも」

純「え~……」

梓「この勉強会はほとんど純のために開くといっても過言じゃないんだから」

純「誰も頼んでな~い!」

憂「でも、純ちゃん今回のテストはヤバいって前から言ってなかったっけ?」

純「ヤバいのは毎回だよ、憂」

梓「自慢するようなことじゃないでしょ!」

憂「わからないところは、私たちが教えてあげるから」

純「でもさ~」

梓「よし! 決まりね! 当日は朝の八時に私の家に集合!」

純「早っ!? 何もそんなに気合入れなくても……」

18 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 21:55:16.68 ID:N1te9Nkt0
憂「梓ちゃんの家でいいの?」

梓「うん」

純「でもさ~、そんな朝早くからなんて家族の人にも迷惑じゃないのかな~なんて……」

梓「両親は演奏会で泊まりがけで遠くまで行っててその日はいないから大丈夫」

純「だと思った……」

憂「じゃあ、お昼とか作って持って行くね」

梓「うん、憂お願いね」

純「憂のお弁当が食べられるのがせめてもの救いだよ」

憂「楽しみにしててね」

純「でもどうせなら、ピクニックにでも行って、芝生の上でレジャーシート広げて
  お日様の下で憂の美味しいお弁当食べたい!」

梓「私の家のリビングのテーブルの上で教科書を広げて
  明るい蛍光灯の下で食べる憂のお弁当だってきっと美味しいよ」

純「なんか台なしだよ~」

憂「じゃあ、テスト終わったら皆でどっか行こうか」

純「絶対だよ!」

19 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 21:59:12.18 ID:N1te9Nkt0
憂「うん。天気のいい日に大きな池のある公園でピクニックもいいよね」

純「天気のいい日か~、なんだか最近曇りが多いよね」

梓「はっきりしない天気ばっかりだよね」

純「今日も重そうな雲が空一面覆ってるし……」

憂「天気予報の洗濯指数も当てにならないし
  最近、外に洗濯物干せないから参っちゃうよ」

梓「憂はもう主婦の目線だよね」

憂「だって、お日様で乾かすと気持ちいいんだもん」

梓「それは、そうだけど」

純「にしても、早くカラッと晴れてほしいもんだね」

憂「せっかく秋晴れのいい季節なのに、もったいないよね」

梓「うん。太陽が恋しくなるよ」

純「テストが終わる頃には晴れますように」

20 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 22:03:24.57 ID:N1te9Nkt0
 同刻 3年2組教室

唯「ああ~、和ちゃん! 5限目の英語のノート貸して下さい!」

和「あんたね、また宿題やってこなかったの?」

唯「朝早く起きてやろうと思ってたんだよ!」

和「思うだけで宿題が出来るんなら、のび太君だって苦労はしないでしょうね」

律「朝早く起きたのに、なんで今日も遅刻ギリギリだったんだよ」

唯「だから、早く起きようと思って目覚ましセットしといたのに
  なぜが鳴らなかったんだよ」

澪「どうせ、無意識のうちに止めて二度寝ってとこだな」

和「仕方ないわね、早く写しちゃいなさいよ」

唯「ありがて~」

21 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 22:07:15.33 ID:N1te9Nkt0
 ・ ・ ・ ・ ・

唯「ふぃ~、なんとか間に合った~」

紬「でも、今度からはちゃんと自分でやってこなきゃ駄目よ、唯ちゃん」

唯「はい……反省してます」

和「その反省、一体何回目なのかしらね」

唯「もう、和ちゃんのいぢわる~」

22 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 22:08:21.90 ID:N1te9Nkt0
澪「あれ? 唯のカバンに付いてるその牛」

唯「あ、これ? 可愛かったからカバンに付けてきたんだ~」

律「いや、その牛リアル過ぎるだろ……」

紬「お名前はギュー太君?」

唯「すごいねムギちゃん! なんでわかったの!?」

律「お前はワンパターン過ぎるんだよ……」

唯「オカ研の子から貰ったUFOも部屋に飾ってるし」

和「へ~、あなた達オカ研の発表見に行ったんだ」

唯「うん。劇でお世話になったから、そのお返しに夜食を届けに行ったとき仲良くなってね」

和「そう言えば、オカ研の墓石使わせてもらったんだっけ」

しずか「墓石じゃなくってロゼッタストーンだよ」

23 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 22:12:49.14 ID:N1te9Nkt0
和「ああ、ごめん。って、詳しいのね」

しずか「一応オカ研の子は友達だから、その間違いは正しておいてあげた方がいいかなって」

しずか「それに実は1年のとき私もオカ研だったんだ。今は違うけど」

澪「い、意外だな」

唯「なんで、途中で辞めちゃったの?」

しずか「え……そ、それは……」

律「そうだ! しずかだったらオカ研の真相知ってるんじゃない?」

しずか「真相?」

律「部員の謎の失踪事件」

しずか「いや、あの、えっと……」

紬「しずちゃん?」

しずか「ほ、ほら、もうお昼休み終わるよ。早く席に付かなきゃ」

律「怪しい……」

24 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 22:16:22.77 ID:N1te9Nkt0
 放課後

律「なぁ、しずか。さっきの話の続き……」

しずか「ご、ごめん。私今日早く帰らないといけないから、それじゃ!」

唯「あんなに慌ててどうしたんだろ?」

律「ますます怪しい」

紬「あれは、何か知ってるって感じだったわね」

澪「あんまり首つっこむなよ」

律「これは詳しく調べてみる必要がありそうだな」

唯「今日からテスト期間で部活禁止になるから時間はたっぷりとあるしね」

紬「なんだか探偵さんみたいね。でも、勉強もしっかりとしないと駄目よ」

澪「なんのための部活動禁止期間なんだよ、もう早く帰ろうよ……」

25 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 22:18:56.61 ID:N1te9Nkt0
律「おーい、和~」

和「なに?」

律「生徒会室にクラブの活動日誌があるだろ?」

和「あるけど」

律「今から見せてもらってもいい?」

和「それを見るためには正当な理由と閲覧許可書が必要よ」

律「許可書はきっと和がなんとかしてくれる! 理由は好奇心!」

和「却下」

律「ええ~……」

和「と、言いたいところだけど。こっちの条件を飲んでくれるんなら考えてあげてもいいわ」

律「で、その条件とは?」

26 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 22:22:33.31 ID:N1te9Nkt0
和「今、生徒会室の棚が一杯になって新しい棚を入れようとしてるところなのよ」

和「ついでに、その棚の中身も整理しようと思っててね」

和「私の生徒会長としての最後の大仕事ってとこかしら」

和「だけど、生徒会の子達も今はテスト勉強で大変だろうから。でも、私一人じゃあ少し荷が重いのよ」

澪「何もテスト期間中にそんなことしなくても……」

和「私、テスト勉強なんてしなくても、普段の勉強で足りてるから大丈夫よ」

澪「あ、ああ、そうなんだ……」

律「わかりました! お手伝いさせて頂きます!」

紬「でも、りっちゃんと唯ちゃん、勉強は大丈夫?」

唯「大丈夫! やれば出来ます!」

律「魔法の合言葉!」

和「じゃあ、頼んだわよ」

律「任せろ!」

澪(和、それは職権乱用なんじゃないのか……)

27 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 22:25:41.71 ID:xgx3Ok7E0
カオス

28 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 22:26:39.04 ID:N1te9Nkt0
 生徒会室

律「和~、こんな伝票出てきたんだけど」

和「どれどれ? それは、この2010年度予算のタグのついたところにファイルしといてくれる?」

律「よしきた!」

紬「和ちゃん、これはどうしたら」

和「それは、破棄しちゃっても構わないわ」

紬「うん、わかった」

律「和~、順番はどうでもいいの?」

和「日付順にしといてもらえるかしら」

律「ラジャ!」

唯「和ちゃん! お腹空いた!」

和「帰っていいわよ」

唯「じ、冗談だよ和ちゃん!」

29 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 22:31:12.79 ID:N1te9Nkt0
澪「和、これは?」

和「生徒会への申請届けね。しかも二年前の。学校が休校の際の屋上の使用申請」

和「どこから出てきたの?」

澪「この棚を動かした裏に」

紬「私が一人で動かしました!」

律「相変わらずの馬鹿力だな……」

和「きっと、誰かが落としてそこに入って行っちゃったのね」

紬「だとしたら、その申請は受け入れられなかったってこと?」

和「まぁ、そうなるでしょうね」

澪「そっか」

和「もう二年も前のものだし、それも必要なさそうだから、破棄しちゃって」

澪「わかった」

30 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 22:34:26.40 ID:N1te9Nkt0
 ・ ・ ・ ・ ・

律「結構整理できたな」

和「みんな、ご苦労様。おかげで助かったわ」

唯「なんのなんの」

澪「お前はあまり役に立たなかったけどな」

和「ふふっ。でもこうやって皆でちまちまと作業するのって学園祭の延長みたいで良かったわね」

紬「もしかして和ちゃんもあの学園祭の雰囲気が名残惜しくて私たちを誘ったとか?」

和「さて、どうかしらね?」

唯「和ちゃんもあんがい子供っぽいとこあるよね」

和「唯に言われちゃお終いね」

澪「同感だな」

律「いやはやまったく」

唯「それってどういうこと~!?」

  「あはははははは」

31 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 22:35:23.39 ID:N1te9Nkt0
和「まぁ、いきなり勉強のみにシフトしろって言われたってなかなか……ね」

唯「でも、私、和ちゃんのそういうとこ大好きだよ!」

和「はいはい、ありがと」

紬「じゃあ、せっかくだからお茶にしましょうか」

澪「え? ムギ準備してきてたのか?」

紬「うん。こんなこともあろうかと」

律「どんなことだよ……」

紬「心で見なくちゃ、肝心なものは目で見えないものよ」

澪「何それ? 恐い」

32 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 22:40:05.24 ID:N1te9Nkt0
 ・ ・ ・ ・ ・

紬「はい、和ちゃん、どうぞ。ショートケーキお口に合えばいいけど」

和「ありがと」

唯 ササッ

和「どうしたのよ? 唯。ケーキ隠したりなんかして」

唯「だ、だって、和ちゃん私の苺取るし」

和「あんた、まだ言ってるの?」

唯「いつまでも言い続けるよ!」

和「はぁ~……」

唯「ケーキの苺取るなんて、人間としてあるまじき行為だよ!」

和「えっ……」

律「そこまでのことか……」

澪「和も幼馴染として唯に言いたいことは沢山あるだろうに。なぁ、和」

和「……」

澪「和?」

33 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 22:44:09.06 ID:N1te9Nkt0
和「あ、ごめんなさい、何?」

紬「どうしたの? 和ちゃん」

和「いや……、なんだか私は人間じゃないみたいな言われ方だったから」

澪「い、いやいや。本気にするなよ」

律「そうそう、むしろ変わってるのは唯の方だと思うぜ」

和「そう……よね。でも、確かに悪かったわ」

和「ほら、唯。私の苺食べてもいいわよ」

唯「え? いいの♪」

和「あなたにとっての苺を軽視していた私も悪かったのよ」

唯「和ちゃんは世界大統領になるべき人物だね! 人類代表だよ!」

澪「調子いいなぁ」

34 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 22:47:25.24 ID:N1te9Nkt0
和「ところで、あなたたちの目的はいいの?」

律「え? なんだったっけ?」

澪「忘れてどうするんだよ……」

紬「オカ研のクラブ活動日誌よ、りっちゃん!」

律「ああっ! そうだったそうだった」

和「とりあえず、ここ10年の分はそこに出てるから勝手に読んでちょうだい」

律「じゃあ、最近の3年分で充分かな……」

澪「なにいきなりめんど臭くなってるんだよ」

唯「クラブの活動日誌なんてあったんだね。私初めて知ったよ」

紬「じゃあ、軽音部のもあるのかしら?」

和「そりゃあ、あるわよ」

唯「見たい見たい!」

35 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 22:51:09.13 ID:N1te9Nkt0
澪「こういうのって律が全部書いてたんだよな」

律「うん、なんせ部長だからな!」

唯「どれどれ?
 
  ○月×日 わらび餅
     △日 レアチーズケーキ
     □日 はちみつとラスク」

澪「ちょっと私にも見せて!

  ○月♪日 ういろう
     ♭日 チューペット
     ♯日 ジンギスカン
  
  なんだこれ?」

律「活動日誌じゃなくて、菓子どう?日誌になっちゃってさ~」

澪「くだらないことしてんじゃない!」ゴチン!!

律「あいて☆」

和(ジンギスカンがお菓子って……いったいどういう神経してるのかしら……)

36 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 22:53:42.30 ID:N1te9Nkt0
 ・ ・ ・ ・ ・

律「フムフム……」

唯「りっちゃん結構真面目に見てるね」

澪「勉強もあれくらい真面目に取り組んでくれたら……」

律「……あれ? なぁ和」

和「なに?」

律「ここ、急に日付が飛んでるんだけど」

和「……本当ね。それまでは毎日のように書き込まれてるのに」

律「よく見たら飛んでる日付分だけページに切り取られた跡が」

紬「本当、ノート破ったみたいになってるわね」

律「きっとこの破られた日の日誌になにか重要な手がかりが……」

澪「ちょうど二年前だな、破り取られた部分」

37 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 22:57:02.96 ID:N1te9Nkt0
律「その頃のオカ研のメンバーってわかる?」

和「ちょっと待ってね。……あった、当時のクラブ活動申請書」

澪「あ、部員に木下しずかってある!」

紬「一年一組ってなってるわね」

唯「しずちゃん本当に一年生のときオカ研だったんだね」

律「じゃあ、次の年は……」

澪「……名前が無いな」

紬「前の年に記載されている人でしずちゃん以外にいなくなった人もう一人いるわね」

唯「本当だ、じゃあこのいなくなった人が噂の失踪した人?」

律「充分に考えられるな」

澪「去年はまだ4人いたんだな」

和「そうね、三年生が卒業しちゃって現部員の2人だけになっちゃったのね
  結局一年生の新入部員は入らなかったみたい」

紬「消えたもう一人はどこに行っちゃったのかしら?」

律「まさか、本当にキャトられたんじゃ……」

澪「ひぃっ!?」

38 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 23:00:53.85 ID:N1te9Nkt0
さわ子「ここからケーキの良い匂いがするっ!!」ガチャ!!

澪 ビクッ!!

紬「さ、さわ子先生!?」

律「犬かよっ!!」

澪「ああ、なんだ……犬か……、ビックリした」

さわ子「ちょっと! 誰が犬ですって!?
    お茶するんだったら、なんで私も呼んでくれないのよ~!」

律「いや、だって、部活禁止だし……」

さわ子「お茶してるじゃない!」

澪「普段もお茶するために部活してるわけじゃないんで……」

さわ子「わかったわ、そこまで言うなら私も先生らしく振舞わせてもらうわよ!」

さわ子「あなた達! テスト期間なんだから早く帰りなさい!!」

律「うっ……! まさかの正攻法」

紬「あの……、先生の分もあることにはあるんですけど……」

さわ子「さぁ! 他の先生に見つからない内に早く鍵を閉めましょう!」

和「先生がどんな生徒だったのか、なんとなくわかった気がします」

39 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 23:04:50.51 ID:N1te9Nkt0
 ・ ・ ・ ・ ・

さわ子「満足じゃ~」

唯「結局さわちゃんはさわちゃんだったね」

さわ子「さてと、じゃあ食べ終わって満足したことだし……」

さわ子「あなた達、テスト期間なんだから早く帰りなさい!」

律「さっきまでさわちゃんだって一緒になって食べてただろ!」

さわ子「さっきまでの私は欲望の赴くままの私」

さわ子「でも、今の私は教師山中さわ子よ!」

唯「ずるい~」

さわ子「大人になるっていうのはこういうことなのよ!」

澪「そんな大人になるんだったらこっちから願い下げです」

さわ子「ほらほら、後になって怒られるのは私なんだから早く帰ってね」

40 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 23:10:03.26 ID:N1te9Nkt0
律「ったく仕方ないな~」

さわ子「あ、そうだ。唯ちゃんと真鍋さん、ちょっと」

和「何ですか?」

さわ子「あなた達、英語の先生に何かしたの?」

唯「え、英語!?」

さわ子「なんだか怒ってたから早めに謝っといたほうがいいわよ」

紬「宿題写してたのバレちゃったとか?」

律「おいおい、丸写しは私たち写ラーにとってはご法度だぜ」

澪「なんだよ写ラーって」

律「他人の宿題に全てを委ねる愛の戦士! その名も自分で宿題やりま戦隊写ラー!」

澪「馬鹿か……」

律「私が澪の宿題写してることバレないのは、適度にその問題に合うような
  間違いを忍ばせてるからなんだぞ、感謝しろよ!」

澪「威張るな!」

41 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 23:11:06.99 ID:N1te9Nkt0
さわ子「とにかく、今日はもう帰って、言い訳するなら明日にしなさいよね」

紬「遅くまでいたことがバレちゃったら更に心象が悪くなっちゃうかもね」

和「確かにそうね、じゃあ明日にでも謝りに行こうかしら」

唯「ごめんね、和ちゃん……」

和「今、私に対して思っているごめんって気持ちを何十倍にもして
  先生にぶつけてくれたらきっと大丈夫よ」

唯「うん! しっかりと反省の態度を示します!」

43 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 23:15:22.96 ID:N1te9Nkt0
 翌日 放課後

和「じゃあ、唯、そろそろ職員室まで謝りに行くわよ」

唯「はぁ~……気が重い……」

澪「自業自得だろ」

律「そうそう、自分でやらないのが悪いんだから」

澪「お前は……」

紬「終わるまで待ってようか?」

唯「ううん。もしかしたら長くなるかもしれないし、先に帰ってて」

紬「そう?」

和「そうね、あなた達も勉強する時間が惜しいんじゃないの」

澪「まぁ……」

律「じゃあ、私たちは先に帰るけど、唯と和もちゃんと生きて帰ってくるんだぞ!」

唯「もし、生きて帰ってこれたら……りっちゃんにあのとき言えなかった言葉を伝えるよ」

律「……唯」

和「ほらほら、馬鹿なこと言ってないで早く行くわよ」

44 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 23:19:19.79 ID:N1te9Nkt0
 職員室前

唯和「失礼しました」

唯「意外とすんなり許してくれたね」

和「まぁ、先生も宿題写すなんて日常茶飯事だってことくらいはわかってるわよ」

和「問題は唯が毎回私のノート写してることが丸分かりだってことじゃないかしら」

唯「りっちゃんはバレないようにわざと間違えるって言ってたもんね」

和「一応、間違えるっていっても、それらしい間違えじゃないと怪しまれるから
  わざと間違えるのって逆に頭使うかもね」

唯「わざと間違えるなんて、姑息でちょっとな~」

和「でも、その嘘のおかげで澪は先生に怒られずに済んで
  私は、あなたの共犯としてこうやって謝りにきてるわけなんだけど」

唯「う~ん。そう言われると、返す言葉もありません……」

45 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 23:24:20.90 ID:N1te9Nkt0
和「確かに律の場合も褒められたもんじゃないけど
  自分なりに工夫して澪に迷惑にならないようにしている」

和「そういう意味では、唯よりはいくらか考えての行動だっていうことね」

唯「でも、結局は宿題やってないんだから、私とあんまり変わらないよね」

和「私としては、怒られない方がありがたいけどね」

唯「ズル賢い人が得する世界っていうのもな~」

和「別に得なんてしないんじゃない?」

唯「だって、宿題は自分でやってないし、バレないから先生からも怒られないし」

和「そうやって宿題やらないでいるといつかは宿題やらなかったしっぺ返しがくるものよ
  家での勉強の習慣が身につかないし
  その積み重ねで大学へ合格出来るか出来ないかも自分の責任」

唯「厳しいなぁ~」

和「でも、これで少しは自分で努力しなきゃいけないって学んだでしょ」

唯「うん。ご迷惑をおかけしました」

和「唯がちゃんとわかってくれたんなら、私は言うことないわ」

唯「なんかお母さんみたいだね」

和「私は昔っから唯の保護者気分だったけどね」

46 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 23:29:23.57 ID:N1te9Nkt0
唯「先生も『真鍋がそう言うなら』って許してくれた感じだったもんね」

和「今までの行いのおかげね」

唯「和ちゃん信用されまくってるよね」

和「処世術よ。そういう唯だって皆から愛されてるわよ」

唯「えへへ~」

和「勉強も出来たらもっと言うことないんだけどね」

唯「もう! 勉強勉強ってうるさいよ~」

和「これくらい言わないとやらないでしょ、あなた」

唯「グレてやるんだから!」

和「はいはい」

唯「むむむ~……」

47 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 23:33:48.89 ID:N1te9Nkt0
和「ほら唯、早く帰って勉強しなさいよ」

唯「和ちゃんは帰らないの?」

和「私は昨日の棚の整理があとちょっとだから、それやってから帰るわ」

唯「だったら、私も手伝うよ」

和「駄目、早く帰って勉強しなさい」

唯「ちぇ~。だったら和ちゃんだって」

和「言ったでしょ、私は普段からしっかり勉強してるから
  テストだからって、特別に集中して勉強する必要が無いって」

唯「先生に見つかったら、遅くまで残るな~って怒られるよ」

和「私に限ってそんなこと無いから、心配ご無用」

唯「優等生って何かと優遇されるよね~」

和「羨ましかったら、あなたも優等生になってみなさい」

唯「和ちゃんのいぢわる~」

和「ふふっ。じゃあね」

48 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 23:37:01.76 ID:N1te9Nkt0
 ・ ・ ・ ・ ・

唯「う~ん」

唯「家に帰って勉強しなきゃいけないとなると、家に帰りたくなくなるんだよね~」

唯「ちょっとだけ、部室にトンちゃんの様子でも見に行こうかな」

唯「気分転換、気分転換♪」

  テクテク… テクテク…

唯「軽音部の部室に行くためにオカ研の部室の前を毎日通ってるけど
  それほど気にしたことなかったんだよね~」

唯「結局、謎は謎のままか~……」

唯「って、うわっ!?」ツルッ

    スッテ~ン!!

唯「ばたんきゅ~……」

────────────────
────────────
────────
────

49 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 23:41:35.06 ID:N1te9Nkt0
 ・ ・ ・ ・ ・

麿子「    」ボソボソ

ハマーン様「     」ボソボソ

唯「……うぅっ」

唯(ここは……? 私……どうしちゃったんだろ……?)

唯(あそこにあるのは……バオバブの木?)

麿子「────彼女が?」ボソボソ

ハマーン様「間違いなさそう」ボソボソ

唯(あの二人は、オカ研の……)

ハマーン様「重要な最後のピース……」

麿子「選ばれし者……」

唯(何を言ってるんだろ……?)

50 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/21(土) 23:45:09.20 ID:N1te9Nkt0
唯「痛たたた……」

麿・ハマ「!?」

唯「う~、頭が痛い……」

ハマーン様「気がついた?」

唯「私、どうしちゃったの? ここは?」

麿子「ここはオカ研の部室」

ハマーン様「あなたは、私たちの実験の被験者になってもらった」

唯「実験?」

麿子「人は本当にバナナの皮でスベって転ぶのか」

唯「そうだ! 私、オカ研の部室の前で何かを踏んづけて転んで」

ハマーン様「まさか、あのように派手にすっ転ぶとは思いもしなかった」

麿子「またこの世の謎が一つ解明された」

ハマーン様「感謝する」

唯「私もバナナの皮で転ぶなんて迷信だと思っていたよ」

51 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 00:15:22.64 ID:DR9baP8V0
ハマーン様「その迷信かどうかを解明するのが私たちの使命」

唯「そっか~、やっぱり日夜謎と戦い続けてるんだね」

麿子「でも、あなたに害を及ぼしてしまった」

唯「あ~、でも、私もその謎の解明の力になれたんだったら嬉しいよ」

ハマーン様「そう言ってもらえると助かる。お返しに何か私たちが出来ることはないか?」

唯「そんな、気にしなくてもいいよ~。バナナの皮でスベって転ぶなんて経験なかなか出来ないもんね」

麿子「でも、それじゃあ、私たちの気が済まない」

ハマーン様「今、あなたが抱えている日常の謎なんかがあれば私たちが解決してあげるが?」

唯「そんな、謎なんてないよ~」

麿子「そんなはずは無い」

ハマーン様「生きている限り謎は付き纏う」

麿子「例えばテレビのリモコンが突然消える謎」

ハマーン様「例えばコード類のありえない絡まり方」

唯「オカ研とは思えないほどの庶民的な謎だね」

52 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 00:20:38.90 ID:DR9baP8V0
麿子「本当に何もない?」

唯「う~ん……」

唯(そうだ、オカ研の謎をオカ研に聞いてみればいいんだよ)

唯「えっとね」

ハマーン様「何でも聞いて欲しい」

唯「オカ研に謎の失踪を遂げた部員がいるって噂を聞いたことがあるんだけど……」

麿・ハマ「!?」

唯「オカ研の人だったら、その辺のこと詳しいかな~って」

麿・ハマ「……」

唯「……あれ? もしかして聞いちゃいけなかった?」

麿子「真実を知りたいと?」

唯「いや、駄目だったらいいんだけどさ」

ハマーン様「そこまで言うなら、あなたにその当時あった出来事を全て話そうと思う」

唯「私、そんなに食いついてないよね?」

53 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 00:21:40.11 ID:s9FvoQrW0
幼年期の終わり英語で読んでみたら意味不明だったので庭で燃やした

54 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 00:23:56.92 ID:aV3Pfmd40
無限航路をやって幼年期の終りを読んだ俺が支援だ

55 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 00:28:14.52 ID:DR9baP8V0
麿子「まず前提として知ってもらいたいことがある」

唯「うん、まぁ、話したいのなら聞くけど……」

ハマーン様「すでにこの地球には他の恒星系からの知的生命体が住み着いている」

唯(突飛過ぎる……)

麿子「その知的生命体。私たちはオーバーロードと呼んでいる」

ハマーン様「彼らはこの地球に平和と秩序をもたらそうとしている」

唯「だったら、その宇宙人さんは良い宇宙人さんなんだね」

麿子「話は最後まで聞いて欲しい」

唯「ご、ごめん……」

ハマーン様「私たちはひょんなことからその存在に気づいた」

麿子「それに一番最初に気づいたのが、件の消えた部員」

唯「へ~、そうなんだ~」

唯(帰りたい……)

56 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 00:35:04.36 ID:DR9baP8V0
ハマーン様「二年前、この地域で大きめの地震があった」

唯「うん、あのときは本当にビックリしたよね」

麿子「あの地震でこの近くの山で地すべりが起きて、昔の地層が現れた」

ハマーン様「私たちは何か謎がないかと調査へ出かけた」

麿子「そこで、約5万年前と思われる地層から普通では考えられないものが見つかった」

唯「普通では考えられない?」

ハマーン様「5万年前の人類、ましてや現在の科学技術でも成し得無いであろう
       スーパーテクノロジーを秘めたものが出土した」

麿子「それは、5万年という時の流れから置いて行かれたかのように腐食などは全くなかった」

ハマーン様「それどころか、自己修復をしていることも確認された」

麿子「炭素繊維でもなければ金属でもない」

ハマーン様「おおよそ人類には作りようのない代物だった」

唯「なんだかよくわからないけど、すごいね! 私もそれ見てみたいな」

ハマーン様「い、今はここには無い……」

唯「……へ~」

57 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 00:43:51.44 ID:DR9baP8V0
麿子「しかし、一緒に見つかった手帳のようなものはある」

ハマーン様「これがそう」

唯「なんか、変な文字がびっしり書かれているね」

麿子「これは明らかに地球文明の文字ではない」

唯「だったら……」

ハマーン様「間違いなく地球外文明の文字」

唯「その自信はいったいどこから……」

麿子「失踪した部員はとても頭が良く、この文字を解明することに全精力を費やした」

ハマーン様「そして、ついにこの手帳にある内容の殆どを解読することが出来た」

麿子「どうやら、この手帳の持ち主は手帳に書いてある公転周期から計算すると
   今はもう存在しない惑星ミネルヴァ出身であることがわかった」

ハマーン様「ミネルヴァは火星と木星の間にあった惑星
       それがオーバーロードによって破壊され、今は小惑星と化し
       アステロイドベルトを形成する元になった」

唯(さっぱりわからん……)

58 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 00:47:47.31 ID:DR9baP8V0
麿子「私たちはそうやって地球に逃げてきたミネルヴァ人が伝えてくれた
   オーバーロードの危険性を人類に警鐘するために活動している」

ハマーン様「先の学園祭のときにもキャトルミューティレーションの考察に紛れ込ますように
       オーバーロードに対する私たちの対策を示しておいた」

唯「なんで、そんな隠すようなことを……」

麿子「先程も言ったように、すでにこの地球には奴らが住み着いている」

ハマーン様「この学校の生徒も例外じゃない」

麿子「オーバーロードはこの学校の生徒になりすまし監視の目を光らせているかもしれない」

ハマーン様「だから、おおっぴらに出来ない現実がある」

59 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 00:50:58.73 ID:aV3Pfmd40
オーバーロードが幼年期の終りで
ミネルヴァが星を継ぐ者
王子様の部分は星の王子様?バオバブの木とかそうだよね

60 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 00:59:38.60 ID:DR9baP8V0
唯「生徒の中に……宇宙人?」

麿子「オーバーロードは実態を持たない、精神体のようなもの」

ハマーン様「おそらく人間に取り付き徐々に体を乗っ取る
       本人はそれには気づかない。でも、人間の行動原理とかけ離れたことを希にすることがある」

麿子「あなたも、もし、普段と違う行動をしている人間に会ったのなら気をつけてほしい」

唯「そ、それっていきなり他人のショートケーキの苺取ったりする人のこととか!?」

ハマーン様「……普通に考えれば、人間がそんなことをするはずがない」

唯「ま、まさか……和ちゃんが……」

61 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 01:05:51.83 ID:DR9baP8V0
 平沢家

唯(和ちゃんが、宇宙人に取りつかれてるなんて……)

唯(まさか……ね)

唯(オカ研の子たちも面白半分で言ってるだけだよね)

憂「────だからね、お姉ちゃん」

唯(……でも、生徒会室でケーキ食べたときに、私が和ちゃんのことを
  人間にあるまじき行為って言ったときのあの動揺のしかた……)

唯(今考えれば、和ちゃんが宇宙人だから、あんなにうろたえたのかな……?)

唯「……」

憂「お姉ちゃん? 私の話聞いてる?」

唯「えっ? ごめん、何だった憂」

憂「だから、私明日早く家を出るから、お姉ちゃん一人で起きれるかなって」

唯「う、うん。大丈夫だよ」

憂「そう? 本当に昼まで寝てちゃ駄目だよ」

唯「そんなに寝坊しないよ~」

62 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 01:08:03.72 ID:DR9baP8V0
 ・ ・ ・ ・ ・

憂「おやすみ、お姉ちゃん」

唯「うん、おやすみ~」






唯「今日、オカ研で言われたこと……」

唯「あまりにも現実離れしてて本当に信じられないけど……」

唯「和ちゃんが宇宙人?」

唯「もっと色々な話を聞いた……」

唯「えっと、確か……」

63 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 01:13:20.18 ID:DR9baP8V0
 ~~ 回想 ~~

麿子「和ちゃん?」

唯「生徒会長の真鍋和ちゃんだよ!」

ハマーン様「……実は我々も彼女のことは前から怪しいと思っていた」

唯「ええっ!?」

麿子「オーバーロードは特に頭脳の優れたものを好む」

ハマーン様「常に学年上位の成績を残している彼女は
       まさにオーバーロードが取り付く人間にピッタリ」

唯「そういえば、最近私に対しても勉強勉強ってうるさかった」

麿子「オーバーロードは人類を導く存在」

ハマーン様「勉強を強制するということは人類のレベルを引き上げることに繋がる」

唯「と、言うことは……」

麿子「真鍋和はオーバーロードに取り付かれている可能性が限りなく高い」

唯「そ、そんな……!!」

64 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 01:17:13.76 ID:DR9baP8V0
ハマーン様「あ、あくまで推測」

唯「だったら、もしかしてムギちゃんも……」

麿子「……詳しく聞かせてほしい」

唯「軽音部の部員でキーボード弾いてて、ほらあの眉毛の太い琴吹紬って子
  私たちはムギちゃんって呼んでるんだけど」

ハマーン様「もしかしたら、眉毛に寄生する新しいタイプかもしれない」

唯「や、やっぱり……」

麿子「何か心当たりが?」

65 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 01:20:07.78 ID:DR9baP8V0
唯「私たちもう受験生じゃない? でもあんまり勉強しなかったから
  そのムギちゃんが率先して皆で勉強しましょうって」

ハマーン様「人類の知能を上げるのがオーバーロードの目的の一つ」

唯「それに、たまに有り得ないパワーを発揮するときがあるんだ
  一人じゃ無理だろうって思うような棚をムギちゃんだけで動かしたり
  あ、それに予知能力みたいなのもあったよ」

麿子「肉体の限界値を引き上げることも、もしかしたらあるかもしれない
   それに他人の心を読んだり、未来を見るなんてこともオーバーロードにとっては簡単なこと」

唯「そ、そっか……」

唯「でも、勉強教えてくれたり、力がついたり、別に私たちにとっても悪い宇宙人じゃないんじゃないの?」

66 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 01:29:21.61 ID:DR9baP8V0
ハマーン様「オーバーロードは残す人間と破棄する人間を選別している」

唯「選別?」

麿子「そう、その選別に洩れたミネルヴァ人がこの地球に逃げこんできた」

ハマーン様「オーバーロードに認められた人間のみが新たな扉を開く権利を与えられる」

麿子「星の生命を吸い尽くし高位次元体になる権利を」

唯「あ~、だったら私はきっと選ばれないだろうな」

ハマーン様「オーバーロードに不必要だとされた人間はこの星の生命と共に最期を迎える」

麿子「良質なミネルヴァ人を高位次元体に変えたオーバーロードは次にこの地球の知的生命体。
   すなわち人間がある程度の文明レベルに達したところで人間の進化に干渉しようとしている」

ハマーン様「二年前、彼女はそれを食い止めようとオーバーロードに戦いを挑んだ」

唯「彼女って、失踪した人のこと?」

麿子「そう」

ハマーン様「彼女はその戦いに敗れ、その場から姿を消した」

麿子「学校側もその失踪は把握しているけど、現実離れした事実に
   そのことはなかった事にしようとしている」

ハマーン様「どうしても説明できない出来事が起こると大人は隠そうとする
       大人というのはズルイ生き物」

67 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 01:38:48.44 ID:DR9baP8V0
唯「本当にそんなことが……」

ハマーン様「……実は私たちも詳しいことは知らない」

麿子「……その場にいなかったから」

ハマーン様「彼女はもしものことがあったらいけないからと
        私たちにはそれに参加しないようにと説得をした
        不本意だったが私たちはそれに従った」

麿子「そして現実に最悪の事態になってしまった」

唯「だったら、本当にそのオーバーロードと戦ったかなんてわからないんじゃ……」

ハマーン様「その戦いに参加して生き残った人間がいる」

唯「えっ?」

麿子「木下しずか」

唯「しずちゃんが!?」

ハマーン様「でも、木下さんはその時のことを口をかたく閉ざして話そうとしてくれない」

麿子「記憶が無いのか、それともオーバーロードに口止めされているのか」

ハマーン様「もしくは、オーバーロードに支配されているのか」

68 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 01:46:34.30 ID:DR9baP8V0
ハマーン様「あの事件があってすぐ、木下さんはクラブの活動日誌に何かを書いていた」

麿子「おそらく、そのときにあったことを書き残そうとしたんだと思う」

ハマーン様「でも翌日、私たちがその日誌を見ようとしたら
        該当のページは破り取られていた」

麿子「真実を隠蔽しようとした者がいるということ」

ハマーン様「その日を境に木下さんはオカ研を辞め多くを語ろうとはしなかった」

麿子「私たちはそれでも、色々と調べてやっと真実に近づいた」

ハマーン様「彼女が消えて明日でちょうど2年」

麿子「だから、その日に今度は私たちが戦う番」

唯「か、勝てるの?」

ハマーン様「やってみないと何とも言えない」

唯「そんな……」

~~~~~~~~~~~~~~~

69 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 01:53:00.75 ID:jkzdoxp6O
あーあー元ネタ今度読もうと思ってたらこれだよ!!

70 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 01:55:01.45 ID:DR9baP8V0
唯「オカ研の二人は明日戦うって言ってた」

唯「……どうなっちゃうんだろ」

唯「オーバーロードは人類を導く者……」

唯「本当に悪い宇宙人なのかな……」

唯「……」

唯「明日、もう一度学校で話を聞いてみよう」


 一抹の不安を抱えながらも唯は床に就いた

 天井から吊り下げているUFOが揺れている
 ゆらゆらと、まるで唯の気持ちを表すかのように

72 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 02:01:26.94 ID:DR9baP8V0
 翌朝

唯「……う~ん」

唯「……今何時~?」

唯「……目覚まし、目覚まし」

唯「なんだ、まだ、4時前か……」

唯「zzzzz……」

唯「って!? もう窓の外はこんなに明るいのに4時なわけないじゃん!」

唯「やっぱり! 携帯の時計はもう9時だ!」

唯「最近目覚ましの調子が悪いと思ったら、電池切れかかってたんだ!」

唯「大遅刻だよ~!!」

唯「なんで、憂は起こしてくれなかったの~!」

唯「……そういえば、昨日憂は早くに家を出るとか言ってたっけ」

唯「も~う! 私のお馬鹿さん!」

73 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 02:07:44.86 ID:DR9baP8V0
 ・ ・ ・ ・ ・

唯「うぅ~、今まで遅刻ギリギリはあってもこんな大遅刻することはなかったのに~」

唯「とにかく、急げや急げ!」

唯「時間が時間だからかな~、街の雰囲気がいつもと違う気がするよ~」


 そう、もし唯がこのときの街の変化にもっと敏感に気づいていたら
 今から起こる惨劇をあるいは回避できたかもしれない

 しかし、寝坊をしたというあせりからか唯はそれを見逃してしまっていた

 空は相変わらず厚い雲に一面を覆われている
 まるで何かを隠すかのように……

74 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 02:11:10.44 ID:DR9baP8V0
 ・ ・ ・ ・ ・

唯「やっと着いた!」

唯「って!? 校門も閉まってる!」

唯「どうしよう……、とりあえず乗り越えて入ろうかな……」

唯「うんしょ……っと」

唯「とう! 着地決まった! 10.00!」

     コロコロ……

唯「ああっ! ギュー太がカバンから外れちゃってる!」

唯「乗り越える時に引っ掛けちゃったのかな」

唯「もう一度カバンに付けて……これでよし、と」

唯「とにかく教室へ急がなきゃ!」

75 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 02:16:03.58 ID:DR9baP8V0
 ・ ・ ・ ・ ・

唯「……あれ? なんだろう。静か過ぎるよ」

唯「誰もいない?」

唯「な、なんで……」

  『ベントラー ベントラー スペース・ピープル……』

唯「ひっ!? どこからか……声が……」

唯「そ、空耳かな……」

  『ベントラー ベントラー スペース・ピープル……』

唯「空耳なんかじゃない! どこかで誰かが何かをしている!」

  『ベントラー ベントラー スペース・ピープル……』

唯「お、屋上かな……」

76 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 02:18:14.42 ID:cG4ngJiX0
UFO呼ぶアレか

77 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 02:20:55.65 ID:DR9baP8V0
 ・ ・ ・ ・ ・

唯「一応、屋上に行く前に教室見て回ったけど、本当に誰もいなかった……」

唯「ううっ……みんなどこに行っちゃったの……」

唯「……」

唯「まさか、昨日オカ研の子達が言ってた宇宙人が……」

  『ベントラー ベントラー スペース・ピープル……』

唯「!? ま、また聞こえてくる……」

唯「きっとそうだ……、その宇宙人が変な呪文を唱えて
  みんなをどっかに連れていったんだ……」

唯「……ううっ、どうしよう」

唯「……」

唯「ここでうずくまってたって、何にもならない」

唯「確かめてやる!」

78 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 02:27:49.79 ID:DR9baP8V0
 屋上

ハマーン様「何か変化はあった?」

麿子「いや、まだない」

唯「あ、あれは!?」

唯「ハマーン様ちゃんに、麿子ちゃん!」

ハマ・麿「!?」ビクッ!!

唯「よかったよ~、私一人だけじゃなかったんだね~!」

ハマーン様「なぜ、あなたがここに!?」

唯「うわ~ん! 寂しかったよ~」

麿子「あ、あんまり騒がないでほしい……」

唯「学校に大遅刻したかと思って急いで来たら
  誰もいなくて心細かったんだよ~!!」

ハマーン様「……」

麿子「よくぞ無事でいた」

ハマーン様「!?」

79 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 02:32:28.17 ID:DR9baP8V0
唯「ど、どういうこと?」

麿子「思ったよりもオーバーロードが早く行動を起こした」

麿子「この学校の敷地内へ入ると別の空間へ転移される仕掛けが施してあった」

麿子「おそらくは、それでみんな気づかない内にオーバーロードの
   罠に嵌ってしまった」

麿子「私たちはみんなを救い出すために、こうやって戦いの準備をしている」

唯「そうだったんだ……」

麿子「私たちのこの黒装束はミネルヴァ人の技術を真似て作った
   全ての電磁波や光波を無効化する優れもの」

麿子「だから、私たちは学校に入ってもこうやって現実世界に留まることができる」

80 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 02:33:21.27 ID:GA48w4bB0
このスレはカレルレン総督に監視されています

81 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 02:37:35.20 ID:DR9baP8V0
唯「……あれ? だったらなんで私もこっちの世界にいるの?」

唯「学校に入った瞬間に転移されるんなら私もそうなるんじゃ……」

麿子「それは……」

ハマーン様「……そのカバンに付けている牛」

唯「ああ、貰った牛だね。名前はギュー太っていうんだよ」

ハマーン様「それはミネルヴァ人の持ち物の中にあった素材と同じ物で作ったもの」

ハマーン様「それも、特殊な素材で出来ている」

ハマーン様「きっとそれがお守りになってあなたを守ってくれた」

唯「そっか……だからあのときカバンから落ちちゃったんだ」

ハマーン様「……きっとそう」

82 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 02:41:36.28 ID:DR9baP8V0
 prrrrrrrrr…

唯「あれ? 電話」

ハマ・麿「!?」

唯「……澪ちゃんから?」

唯「なんだ、やっぱり無事だったんじゃ……」

ハマーン様「出てはいけない!!」

唯「えっ!?」ビクッ!!

麿子「それはきっとオーバーロードの罠」

唯「ど、どういう……」

ハマーン様「その電波をキャッチすることによって座標を特定され
        直接空間転移を仕掛けられる恐れがある」

唯「そ、そっか! 危ない危ない」

ハマ・麿「……」

83 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 02:47:10.70 ID:DR9baP8V0
唯「じゃあ、電話に出なきゃ安全だってことだね」

麿子「その通り」

ハマーン様「話が早くて助かる」

唯「でも、そのオーバーロードに連れ去られた人たちはいったいどうなっちゃうの?」

麿子「きっと高位次元体になるために徹底的に管理された生活を余儀なくされる」

唯「管理された生活?」

ハマーン様「そう。争いごとも優劣もない、本当に平和な世界」

麿子「そこで永い年月を経て、人々は体を捨てる」

唯「体を……捨てる?」

ハマーン様「生物は進化の度にその形状を変えていった」

麿子「古代、海で生まれた生物は陸へ上がるためにヒレを腕や足に変えた」

ハマーン様「同じように、宇宙へ飛び立とうとするためにも進化が必要」

84 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 03:01:49.05 ID:DR9baP8V0
麿子「人間の寿命は精々100年」

ハマーン様「だけど、宇宙の広さから見ればそれは本当に少しの時間」

麿子「肉体があるから、体が衰え老いがきて人は死ぬ」

ハマーン様「だから、宇宙を旅するためには体は不必要」

唯「ご、ごめん。言ってることが良くわからない……」

麿子「要するに心だけになって死ななくなる」

唯「幽体離脱みたいなもの?」

ハマーン様「……そう思ってもらっても構わない」

唯「そうなんだ~、なんだか面白そう」

麿子「でも、そのためには永い間オーバーロードの管理下で
    ゆっくりと何世代もかけて進化していかなければならない」

唯「争いもない世界……だっけ?」

ハマーン様「そう。今までの人類の歩みを完全に無視した世界」

麿子「個人的な考えは否定され、常に種としての個を強要される」

ハマーン様「人類が一つになるためには何か一つの絶対的な考えを与えてやるのが一番簡単」

85 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 03:06:04.30 ID:DR9baP8V0
麿子「それによって人類は進化をただ促されるだけ」

ハマーン様「そこには個性は存在しない」

唯「二人はそんな人類を憂いてオーバーロードに戦いを挑むの?」

ハマーン様「そう」

唯「もし、負けちゃったら?」

麿子「きっと、不必要な人間として処分される」

唯「私も……?」

ハマーン様「……こちら側にいるということはたぶん」

唯「……嫌だよ」

麿子「平沢さん?」

唯「たとえ、与えられた平和でも、私は皆と一緒にいたいよ!」

ハマーン様「お、落ち着いて」

86 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 03:11:32.14 ID:DR9baP8V0
 prrrrrrrrr…

唯「また、澪ちゃんからだ……」

ハマ・麿「……」

唯「私弱い人間なんだ……」

唯「この電話に出たら皆のところに行けるんだよね」

ハマーン様「だ、だめ」

唯「私、りっちゃんや澪ちゃんやムギちゃんやあずにゃんのいる軽音部で過ごしたい」

唯「和ちゃんや憂とも一緒にいたい!」

唯「こんなわがままな私だけど……お願い、わかって下さい」

麿子「出たら終わっちゃう……」

唯「ごめんね。二人とも……」

      ピッ

 …
 …
 …

87 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 03:14:14.28 ID:DR9baP8V0
唯「……」

澪『おーい、もしも~し』

唯「……澪ちゃんの、声が聞こえる……」

澪『寝てるのか~?』

唯「目を開ければ……そこは争いのない平和な世界」

澪『おい唯! 電話に出たんなら何か返事をしろ!』

唯「……って、あれ? まだ学校の屋上?」

麿子「……」

唯「いったい、どうなって……」

ハマーン様「ごめんなさい」

唯「えっ?」

88 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 03:17:35.00 ID:DR9baP8V0
澪『唯! いい加減にしないと怒るぞ!』

唯「澪ちゃん?」

澪『ああ、やっと出た。もう唯の家の前に皆集まってるぞ』

澪『ったく、唯が勉強会は昼からがいいって言ったからこうやって昼にしたのに
  今の今まで寝坊するとはどういうことだよ』

唯「え? あれ?」

澪『早く起きて玄関の鍵開けてくれよ。じゃあな』

   ツー ツー ツー

唯「ええっと……」

ハマーン様「平沢さんがあまりにもノリがいいので私たちも調子に乗ってしまった」

唯「じゃあ、オーバーロードとかは……?」

麿子「あれは、嘘。というよりもそういう設定」

唯「設定!?」

89 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 03:19:55.49 ID:DR9baP8V0
ハマーン様「私たちが考えた宇宙人の設定」

麿子「その設定を披露する機会が訪れて浮かれてしまった」

ハマーン様「普段はこんな話、誰も真剣に聞いてくれないから……」

麿子「だから、平沢さんが私たちの話を聞いて
    真鍋さんや琴吹さんのことを宇宙人に取り付かれていると勘違いしてくれて
    私たちの設定がそこまで優れたものだったのか、と血が騒いでしまった」

ハマーン様「どうか許してほしい……」

唯「じゃあ、失踪した部員っていうのは……?」

麿子「……ただ転校しただけ」

唯「残念だよ! まったく残念だよ!」

90 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 03:23:52.99 ID:DR9baP8V0
ハマーン様「2年前に今日のような誰もいない学校の屋上で宇宙人と交信しようと試みた。
        さすがにそれを誰かに聞かれたり見られたりするのは恥ずかしいから」

麿子「でも、生徒会に屋上の使用許可申請を出したにも関わらず、何故か一向に返事が来なかった」

ハマーン様「これが私たち弱小部に対する生徒会の答えだと知り
        転校間近だった彼女とその親友だった木下さんは
        許可のないまま屋上で宇宙人との交信を始めた」

麿子「それがバレて、木下さんは退部。もう一人はただ転校していっただけ」

ハマーン様「私たちは、このオカ研を守るためにそれには参加しなかった」

麿子「この件を生徒会に問いただすと、そんな申請は聞いていないとしらを切り続けた」

ハマーン様「私たちは怒った。当時の活動日誌に生徒会への恨み辛みを書きなぐった」

麿子「でも、あとで冷静になってみるとさすがにヤバいと思い該当のページを破りとった」

ハマーン様「だけど、こうやって毎年生徒会への申請をせずにこっそりと
        誰もいない学校の屋上で宇宙人との交信をするのがせめてもの抵抗」

麿子「私たちのオカルト魂は誰にも止められない」

唯「あ~、そうだったんだ~……」

91 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 03:28:49.47 ID:DR9baP8V0
唯「でもさ、しずちゃんにそのことを聞いたら
  すっごい何か訳有り気に逃げていったんだよ」

ハマーン様「それは、私たちが頼んだこと」

唯「えっ?」

麿子「オカ研に謎はつきもの。だから私たちが、部員失踪の噂をばらまいた」

ハマーン様「木下さんは私たちに気をつかって真実をバラさない約束をしてくれた」

麿子「おかげで昨日今日と平沢さんを巻き込んだ濃いSF談義ができた」

ハマーン様「木下さんにも感謝している」

唯「……2人なのに部として活動できてる訳は?」

麿子「私たちは同好会」

ハマーン様「部じゃないので活動は自由。そのかわり部費は落ちない」

唯「……」

92 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 03:32:19.00 ID:DR9baP8V0
唯「じ、じゃ~さ、なんで今日は学校に誰もいないの?」

ハマーン様「本当にわからないの?」

唯「まさか、嘘だなんて言って私を油断させといて
  本当は私たちが宇宙人だったのだ~! なんてオチじゃ……」

麿子「平沢さんの頭はとてもおめでたい」

唯「いや~、照れるよ~」

麿子「……」

ハマーン様「……なぜ、今日学校に生徒がいないのか
        それは携帯の待ち受け画面を見ればわかると思う」

唯「え~、ホントに~?」

    パカッ

唯「……」

唯「なるほど……」




唯「SUNDAYじゃねーの」

 おしまい

93 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2010/08/22(日) 04:14:48.95 ID:iRAe1c/rO


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