HEADLINE

ウサギ「決着つけようぜ……どっちが最速かをよ!」カメ「うむ!」

2013/08/18 11:16 | CM(3) | 創作・男女系 SS
1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 01:16:29.69 ID:P3FtNlO00
ウサギのアジト──

ウサギ「決めたよ」

ウサギ「オレ、カメと決着つけるわ」

ウサギ「どっちが世界最速か、いい加減ケリつけねぇとな」

アキレス「えええええっ!?」

タヌキ「マジっすかポンポコ!?」

ウサギ「大マジだよ」



3 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 01:20:25.73 ID:P3FtNlO00
ウサギ「どいつもこいつも、みんなオレとカメのどっちが速いかを知りたがってる」

ウサギ「一方で、どっちが速いかは決めちゃいけねえみたいな空気もある」

ウサギ「もういい加減、ウンザリなんだよ。シロクロつけてぇんだ」

タヌキ「ですが……月に許可も取らずにっすかポンポコ」

ウサギ「タヌキ」

ウサギ「また背中に火ィつけられて、湖に沈められてェか?」ギロッ

タヌキ「い、いえっ……ポンポコ」

ウサギ「どうせ月に申し出たって、許可なんか下りやしねえよ」

ウサギ「もし、オレが負けでもしたら、月の威信にも関わってくるわけだからな」

ウサギ「あと語尾にポンポコつけんのやめろ。うぜェから」

タヌキ「すんませんっす! オイラ、人里でゆるキャラデビューしたくてつい……」

ウサギ「口調だけ可愛くしても意味ねぇんだよ」


4 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 01:23:14.00 ID:P3FtNlO00
アキレス「しかし、勝算はあるのかね?」

ウサギ「勝算?」

アキレス「私も昔カメとかけっこをして大敗し、地位も名誉も全て失った」

アキレス「私の足でも、カメには決して追いつけなかった!」

アキレス「君があのカメに勝てるとはとても思えな──」

ウサギ「……アキレス」

ウサギ「アキレス腱出せや」

アキレス「えっ……」


5 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 01:26:21.85 ID:P3FtNlO00
ウサギ「今すぐ人生をゴールしたくなきゃ──」

ウサギ「出せ」

アキレス「は、はいっ……」ガタガタ…

ブチィッ! ブチィッ!

アキレス「あぎゃあああああっ!!!」ゴロゴロ…

ウサギ「オレが勝てる相手とだけケンカする三流とでもいいてえのか」

ウサギ「アキレス。お前如きが、オレを値踏みするなんざ百年はええ」

タヌキ(両足のアキレス腱をぶっちぎった……!)

タヌキ(ひぇぇ……ウサギさんの制裁は恐ろしすぎるっす!)


7 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 01:29:23.06 ID:P3FtNlO00
ウサギ「ま、もう決めたことだ」

ウサギ「この山を騒がすことになるかもしれねえが、オレはやる」

ウサギ「日時はちょうど一週間後だ」

ウサギ「タヌキ、この挑戦状をカメのアジトに届けてきてくれるか」スッ

タヌキ「はい、任せて下さいっす」

タヌキ「泥船に乗った気持ちでいて下さいっす!」

ウサギ「それをいうなら、大船だろが!」

タヌキ「す、すんませんっす!」


8 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 01:32:13.62 ID:P3FtNlO00
カメのアジト──

カメ「ふぅ~む……」

浦島太郎「どうしたんじゃ? さっきからうなっておるが」

カメ「さっき、ウサギのところのタヌキが届けに来た手紙だ」

カメ「読んでみろ」ピッ

浦島太郎「どれどれ……」ガサッ

浦島太郎「こ、これは!? ウサギからの挑戦状ではないか!」

カメ「うむ」

カメ「ウサギめ、ついにシビれを切らしたようだ」


9 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 01:36:01.33 ID:P3FtNlO00
浦島太郎「どうするんじゃ、カメよ」

カメ「浦島、こういう時俺がどうするかぐらい分かってるだろう?」

浦島太郎「ふっ、愚問じゃったな」

浦島太郎「おぬしは、挑まれた勝負から逃げるような男ではない」

浦島太郎「まして、スピード勝負となればなおさらじゃ」

カメ「そのとおりだ。もちろん受けて立つ」

カメ「玉手箱で老人になって、さらに男前が上がったな? 浦島よ」

浦島太郎「ほっほっほ。もちろん、最初は年老いてしまって戸惑ったがのう」


10 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 01:37:38.54 ID:f/uwiCd9O
みんな男前すぎるwww


12 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 01:39:42.26 ID:P3FtNlO00
浦島太郎「ジジイになったおかげで、今やのんきな年金暮らし」

浦島太郎「電車やバスでは勝手に席を空けてもらえ」

浦島太郎「ちょっと体調悪いフリすれば、みんな気遣ってくれる」

浦島太郎「ジジイ最高じゃよ! ほっほっほ!」

浦島太郎「“クソジジイ”などと陰口叩かれとることも知っとるが」

浦島太郎「この命尽きるまで、若人から甘い汁を吸いまくってやるわい!」

浦島太郎「ほ~っほっほっほっほ!」

カメ「まったく、乙姫はとんだ老害を生み出してしまったようだ」

カメ「ツル! すまんが、返事の手紙をひとっ飛び届けてきてくれ」

ツル「分かりましたわ」バサバサッ…


13 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 01:42:18.90 ID:P3FtNlO00
ウサギとカメが、かけっこで決着をつける。

だれもが待ち望みつつも、決して口には出さなかった両雄の対決。



どちらが速いのか──

否、どちらが世界最速なのか──

否、どちらが上なのか──



この衝撃的なニュースは、瞬く間に世界中を駆け巡った。

「ついにやるのか……」 「こりゃ世界が動くぜ」 「誤報じゃねえのか?」

「どっちが勝つと思う?」 「ウサギだろ!」 「いや、カメだ!」


14 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 01:44:50.24 ID:bLxLoxoD0
ツルです


15 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 01:45:40.93 ID:P3FtNlO00
月──

かぐや姫「なんですって!?」

付き人「ええ、間違いありません」

かぐや姫「まったく、ウサギにも困ったものね」

かぐや姫「私に断りもなく、そんな重大なかけっこを行うなんて……」

付き人「いかがいたしますか?」

かぐや姫「こうまで騒ぎになっては、今さらかけっこの中止はできないわ」

かぐや姫「そして月の威信にかけて、ウサギの敗北は断じて許されません!」

かぐや姫「こうなったら私自ら、地球に向かうわ」

かぐや姫「すぐに船を準備なさい!」

付き人「ははーっ!」


17 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 01:48:21.32 ID:P3FtNlO00
竜宮城──

乙姫「ほう、カメがウサギとかけっことな……?」

タイ「はい、ちょうど一週間後に行われるそうです」

乙姫「ふむ……」

乙姫「もしカメが負けるようなことがあれば、竜宮城の名誉に傷がつく」

乙姫「なんとしても、カメを勝たせねばならぬ」

乙姫「タイ、ヒラメ! わらわは地上に出向くぞ!」

乙姫「竜宮城の総力を挙げて、カメに勝利をもたらすのだ!」

タイ「はいっ!」

ヒラメ「了解っ!」


18 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 01:48:43.87 ID:ghwZ6R4I0
慢心を捨てたうさぎと…力を養っていた亀…
こりゃ世界が動くぜ


22 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 01:51:54.99 ID:P3FtNlO00
ウサギの特訓──

タヌキ「かけっこまで残り数日……なのに」

タヌキ「なにか変わったトレーニングをするかと思いきや──」

タヌキ「ひたすら走り込み、疲れたら昼寝、の繰り返しっすか」

ウサギ「秘策やら奇策やらに頼るなんてのはな、三流のやることだ」タッタッタ…

ウサギ「オレみたいな一流は、地道なトレーニングが一番効率がいいんだよ」タッタッタ…

アキレス「だが、こんな特訓であのカメに勝てるとはとても思えんがね」

ウサギ「!」ピクッ


23 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 01:54:17.12 ID:P3FtNlO00
ウサギ「アキレス……アキレス腱繋がったみたいだな? よかったな」

アキレス「ああ、あれからすぐ手術をして──」

ウサギ「出せ」

アキレス「えっ……」

ブチィッ! ブチィッ!

アキレス「ぎぇあぁぁぁぁぁっ!!!」

タヌキ(ひえ~っ! 口は災いのもとっすねえ)


24 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 01:57:09.79 ID:P3FtNlO00
カメの特訓──

カメ「…………」ノソノソ…

カメ「…………」ノソノソ…

ツル「…………」

ツル「ものすごくゆっくり歩いてますね。普段より遅いくらいですわ」

ツル「カメさんは、ウサギさんを少し甘く見すぎなのでは……」

浦島太郎「いや、あれでいいんじゃよ。おツルさん」

ツル「えっ?」


25 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 02:00:15.45 ID:P3FtNlO00
浦島太郎「かけっこでは足の速さはもちろんじゃが、なにより爆発力がものをいう」

浦島太郎「カメはああやって普段よりゆっくり動くことで」

浦島太郎「当日に向けて“爆発力”を溜めておるんじゃよ」

ツル「爆発力……」

浦島太郎「甘く見るどころか、ウサギをあなどれぬ相手と認めているからこそ」

浦島太郎「カメは、あのようなトレーニングを行っておるんじゃ」

ツル「なるほど、さすがカメさんですわね」


27 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 02:03:42.39 ID:P3FtNlO00
かけっこ前日(ウサギサイド)──

タヌキ「いよいよ明日っすね」

タヌキ「お二人のかけっこ、世界中で注目されてるっすよ」

ウサギ「関係ねェよ、オレはオレのレースをするだけだ」

ウサギ「もちろん、オレのレースをするってことは勝つってことだがな」ニッ

アキレス「正直、ウサギ君が勝つヴィジョンが浮かばないがね」

ウサギ「出せ」

アキレス「はいっ!」

ブチィッ! ブチィッ!

アキレス「あはぁ~~~~~んっ!!!」ゴロゴロ…


28 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 02:03:49.23 ID:qLwMYTFMO
ツル(CV:市原悦子)


30 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 02:06:24.16 ID:P3FtNlO00
かけっこ前日(カメサイド)──

ツル「いよいよ明日ですわね」

ツル「すでにレース会場には、大勢の野次馬が詰めかけているとか」

カメ「まったくヒマなヤツらだ。他にすることはないのか」

浦島太郎「それだけ、皆がおぬしらの対決を待ち望んでいたということじゃよ」

浦島太郎「そんでもってワシも、群衆の中でケツや胸を触り放題じゃ~!」

浦島太郎「ほ~っほっほっほっほ!」

カメ「せいぜい逮捕されないように、気をつけろよ」

カメ「また身元引受人として警察署に行くのはゴメンだ」


32 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 02:09:17.08 ID:P3FtNlO00
かけっこ当日──

パァンッ……! パンッ……! パァンッ……!

「焼きそば~、焼きそば~」 「たこ焼きあるよ~!」 「かき氷いかがっすか~」

ワイワイ…… ガヤガヤ……



ウサギ「花火に出店……まるで縁日だな」

ウサギ「たかがオレとカメがかけっこするだけだってのに。なに考えてんだ」

タヌキ「そりゃあ、こんなに盛り上がるイベント他にないっすからね」

アキレス「あまり騒がしいのは好まんな」


33 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 02:11:26.06 ID:f/uwiCd9O
かけっこって響きがなぜか笑える


34 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 02:12:18.80 ID:P3FtNlO00
カメ「おはよう、ウサギ」ザッ…

ウサギ「カメ……よくオレの挑戦を受けてくれたな」

カメ「お前が挑戦してこなかったら、俺から挑戦していたところだったからな」

ウサギ「決着つけようぜ……どっちが最速かをよ!」

カメ「うむ!」

ガシィッ!

ツル「なんて力強い握手なのかしら……」

タヌキ「好敵手ってやつっすねえ」



ザワザワ…… ドヨドヨ……

「お、おい!」 「あれ、かぐや姫じゃないか!?」 「乙姫もいるぞ!」

「超VIPじゃねえか!」 「すげえ!」 「月と海底のトップ二人だ!」


35 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 02:15:21.29 ID:P3FtNlO00
かぐや姫「ウサギ、お久しぶりね」

ウサギ「おう、かぐや」

ウサギ「わざわざ月から、応援に駆けつけてくれたのか」

かぐや姫「ええ、それにあなたには月の威信にかけて負けてもらうわけにはいかないわ」

かぐや姫「この機械から出る光線を浴びせれば、カメの動きを封じることができます」

かぐや姫「もちろん周囲に発覚することはありません」

かぐや姫「だからかけっこが始まったら、これを使いなさい」

かぐや姫「分かってるわね、これは命令よ」

ウサギ「…………」


36 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 02:19:31.56 ID:P3FtNlO00
乙姫「元気そうだな、カメ」

カメ「乙姫か」

カメ「まさか、海底から来てくれるとはな」

乙姫「ふふふ、おぬしに負けてもらうわけにはいかんからな」

乙姫「おぬしにはこの催眠ガスを授けよう」

乙姫「無色無臭の特別製だから、絶対にバレぬ」

乙姫「かけっこ開始と同時にこれを使えば、ウサギはねんねしてしまうことだろう」

乙姫「竜宮城代表として、これを使って必ず勝て」

カメ「…………」


39 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 02:22:44.19 ID:P3FtNlO00
パシッ! パシィッ!

かぐや姫「いたっ! なにをするのよ、ウサギ!」

乙姫「ぐっ……殴りおったな、カメ!」

ウサギ「オレたちはあくまで、自分のためにかけっこするんだ」

カメ「うむ、竜宮も月も関係ない」

ウサギ「もし下らない勢力争いのために」

カメ「俺たちのかけっこに茶々入れるような真似したら……」

ウサギ「月だろうが──」

カメ「竜宮城だろうが──」



ウサギ&カメ「ツブす」

かぐや姫&乙姫「…………」ドキーン


40 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 02:25:03.79 ID:RRh/+ui90
ドキーン

じゃねえよ


42 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします [ ]:2013/08/17(土) 02:26:26.05 ID:pYRc2ho60
濡れた


43 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 02:27:18.46 ID:P3FtNlO00
かぐや姫「ウサギったら……」

かぐや姫「あんな目で睨まれたら、惚れ直しちゃうじゃないのよ、もう……」ポッ…

乙姫「うむ……お互い難儀じゃな」

乙姫「なんで、わらわはあんな爬虫類に惚れてしもうたのか」

かぐや姫「ホントねえ」

かぐや姫「私もなんで帝より、ウサギなんかに心を奪われてしまったのかしら」

乙姫「とにかく、もはやわらわたち女の出る幕はないようだ」

乙姫「恋する乙女同士、ここは黙って二人を応援するとしよう」

かぐや姫「そうね、そうしましょ」


44 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 02:29:59.24 ID:YpqpsLYOO
ただかけっこするだけなのに龍の如くきオーラを纏ってやがる…流石は亀さんと兎さんだな


45 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 02:30:34.17 ID:P3FtNlO00
ウサギサイド──

タヌキ「勝って下さいっす! 勝てるっす!」

ウサギ「ありがとよ、タヌキ」ニッ

アキレス「君がカメに勝てるワケがない」

ウサギ「治ったアキレス腱、大事にしろよ。アキレス」ニッ

アキレス「ちぎって下さいよぉぉぉぉぉっ!!!」



カメサイド──

浦島太郎「いよいよじゃのう」

浦島太郎「野次馬どもは騒ぎ立てておるが、気楽にやることじゃ」

カメ「もとより周囲の雑音なんか耳に入らん」

ツル「行ってらっしゃいませ」

カメ「ああ」


47 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 02:32:26.37 ID:pe6b8wyq0
アキレスのキャラがいまいち思い浮かばない


48 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 02:34:01.08 ID:P3FtNlO00
キジ『ケーンッ!』

キジ『お待たせいたしましたケン!』

キジ『いよいよウサギとカメの、世紀のかけっこが始まるケーンッ!』

キジ『実況と審判は私、キジが務めるケーンッ!』

キジ『ちなみに桃太郎さん、イヌ、サルは鬼が島に出張中だケン!』

キジ『また解説として、スピード自慢の豪華ゲストも呼んでいますケンッ!』

メロス「メロスは解説した」

チーター「オレはスピードキングだ!」

音「俺様に任せとけっ!」

光「よろしく頼むよォ~」


50 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 02:37:14.07 ID:P3FtNlO00
キジ『ゴール地点は、10km先にあるあの丘の頂上ケーンッ!』

キジ『さあ、ではさっそくかけっこ開始ケン!』

キジ『両者、位置について!』



ウサギ「…………」スッ…

カメ「…………」スッ…



タヌキ「二人とも、クラウチングスタートっすね!」

浦島太郎「当然じゃろう。あれが一番理にかなっとる」


52 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 02:40:18.34 ID:P3FtNlO00
キジ『よーい……』

漁師「キジも鳴かずば──」チャッ

漁師「撃たれまいっ!」

ドゥンッ!

キジ『いてっ!』



ドギュゥゥゥゥゥンッ!!!



キジ『さあ、私が銃で撃たれるのを合図に、両者走り出したケンッ!』

キジ『速い、速い、速い!』

キジ『でも、あれ……?』


54 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 02:43:55.92 ID:P3FtNlO00
ズドドドドドドドドドド……!

キジ『どんどん二人とも、あさっての方向に走っていくケーンッ!』

キジ『そっちはゴールじゃないケン!』

キジ『これはいったいどういうことか、誰か解説してくれケン!』

メロス「メロスは困惑した」

チーター「え、どういうことだ?」

音「オイ、どうなってやがんだよ! 俺様に分かるように誰か教えろ!」

光「おっかしいねェ~……」

キジ『なんの役にも立たねえケン、こいつら!』



アキレス「二人とも全力で走るなど、本当に久しぶりのことだったはず」

アキレス「だから、自分の走る方角を制御しきれていないんだろう」

ツル「だったら、制御できるぐらいのスピードに緩めればよいのでは……?」

アキレス「ウサギとカメが、そんなタマかね?」

ツル「……ですね」


55 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 02:46:43.07 ID:P3FtNlO00
ドドドドドドドドドド……!

キジ『すでに二人の時速は80km/h!』

キジ『メロス氏の最高時速を上回りましたケーンッ!』

メロス「メロスは敗北した」

キジ『さらに、まもなく150km/hに到達し、チーター氏も抜かれたケン!』

チーター「マジかよ!」

ドドドドドドドドドド……!



かぐや姫「いくらなんでも速すぎよ、ウサギ……」

乙姫「こんなに速かったのか、カメは……」

タヌキ「いや、こっからどんどん上がっていくっすよ!」


58 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 02:49:46.37 ID:P3FtNlO00
ドドドドドドドドドド……!

キジ『すでに二人の姿はこのかけっこ会場から消え──』

キジ『人工衛星で二人を追いかけて中継しているという状況ケン!』

キジ『ただいま、二人の時速が1300km/hと確認されたケーン!』

キジ『音速を超えましたケン!』

音「俺様が負けただとぉ!? ウサギとカメのくせに生意気だ!」

ドドドドドドドドドド……!



アキレス「というか、さっきからこのスピードは誰が計ってるんだ?」

タヌキ「事前に二人に取りつけた装置で、分かるみたいっすよ」

ツル「ずいぶん丈夫な装置ですわね」

浦島太郎「まあそこはメイドインジャパンパワーってやつじゃよ」


59 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 02:52:47.94 ID:P3FtNlO00
ドドドドドドドドドド……!

ウサギ「カメよ」

ウサギ「お互い、だいぶ体があたたまってきたな」

カメ「うむ」

ウサギ「まだまだ加速できるか?」

カメ「もちろんだ」

ウサギ「よっしゃ、手加減しねえぜえっ!」キッ

カメ「望むところ!」キッ

ギュンッ!!!


61 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 02:55:32.06 ID:P3FtNlO00
キジ『お~っと!』

キジ『ついに二人のスピードが、地球を脱出できる第二宇宙速度に到達!』

キジ『ウサギとカメは地球から飛び立ってしまったケ~ンッ!』

キジ『さよぉ~なら~!』



キラッ…… キラッ……



アキレス「あの地表から飛び立つ二つの流れ星が、おそらく二人だ」

タヌキ「いってらっしゃいっす!」

ツル「気をつけて下さいませ~!」

浦島太郎「宇宙旅行とは、元気じゃのぉ~……ほっほっほ」


63 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 02:58:49.23 ID:P3FtNlO00
ギュオォォォォォ……!

ウサギ「宇宙空間に来たのは初めてだが、案外なんてことねえな」

ウサギ「空気がないのは寂しいが、オレたちは空気ぐらいなくてもしゃべれるし」

ウサギ「足で宙を蹴れば、ぐんぐん進むしよ」

カメ「うむ」

カメ「そろそろ俺たちの速度は光を超える」

カメ「いっそ、このまま太陽系を脱出してしまおう」

ギュオォォォォォ……!



キジ『二人の速度が、ついに光速を超えた! まだ伸びてるケン!』

光「やれやれ、こうもあっさり抜かれるとはまいったねェ~」


64 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 03:01:14.41 ID:P3FtNlO00
銀河大魔王「フハハハハ……」

銀河大魔王「我が超高重力圧縮四次元砲で、この宇宙を丸ごと消滅してくれる!」

銀河勇者「くそっ、これで宇宙は終わりか……」



ウサギ「オイ、なんかやってるぞ。ドラマ撮影かなんかか?」ギュオオ…

カメ「ジャマだな。どかしてしまおう」ギュオオ…



ドゴォンッ!!!



銀河大魔王「げぶうっ!?」

銀河勇者「いったい何が起こった!?」

かくして宇宙は救われた。


65 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 03:02:05.95 ID:PBnz2ZZOO
物質が光の早さを超えると計算上エネルギーが無限ということになって
宇宙が壊れても無限のおつりがくる


66 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 03:04:19.43 ID:P3FtNlO00
やがて二人は、何もない世界に到着していた。



ウサギ「どこだここ?」

カメ「どうやら宇宙の果てを突破し、宇宙の外にある無の空間にたどり着いたようだ」

ウサギ「なにもねえな。色も音も……時間の流れすら感じねえ」

カメ「それはそうだろう。なんといっても無なのだからな」

ウサギ「こんなところにいてもつまらねえな。地球に戻ろうぜ」

カメ「うむ、地球で決着だ!」

ギュオッ!


67 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 03:07:09.15 ID:P3FtNlO00
かけっこのゴール地点──

タヌキ「もう夕方っすよ……」

タヌキ「いったい宇宙に飛び出したっきりどこに行ったのか……」

ツル「心配ですわ……」

アキレス「隕石などにぶつかったのだろうか……」

浦島太郎「なあに、二人ならきっと無事じゃよ」

かぐや姫(ウサギ……)

乙姫(カメ……)

「あっ、戻ってきたぞ!」 「ホントだ!」 「二人ともヘトヘトだ!」



ウサギ「ハァ……ハァ……」ヨタヨタ…

カメ「ゼェ……ゼェ……」ヨロヨロ…


68 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 03:10:16.06 ID:P3FtNlO00
キジ『さぁ、さきにゴールにつくのはどっちケーンッ!』



ウサギ「負け……るか、よ……」ヨタヨタ…

カメ「俺が……勝つ……」ヨロヨロ…



キジ『ゴールまであと50メートル!』



ウサギ「うおぉ……」ヨタヨタ…

カメ「足よ……動け……」ヨロヨロ…



キジ『10メートル!』


70 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 03:11:16.76 ID:f/uwiCd9O
無とはいったいうごごご


71 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 03:13:28.10 ID:P3FtNlO00
タヌキ「ウサギさん!」

アキレス「ウサギ君!」

かぐや姫「ウサギッ!」

ツル「カメさん!」

浦島太郎「カメ!」

乙姫「カメ!」



ウサギ「最後の、力を……!」ヨタヨタ…

カメ「振り、絞る……!」ヨロヨロ…



ドサァッ……



キジ『両者、ほぼ同時にゴールに倒れ込んだケン! 果たして勝者は!?』


73 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 03:17:15.35 ID:P3FtNlO00
キジ『判定──』

キジ『…………』

キジ『わずかに首の長さの差で──カメの勝利ケーンッ!』



ワァァ……! ワァァ……! ワァァ……! ワァァ……!



カメ「ウサギ……紙一重のいい勝負だったな」

ウサギ「フッ、オレの完敗だ」

ウサギ「かけっこで負けた者は全ての名誉を失う……もちろん、覚悟の上だ」

ウサギ「誇ってくれ、カメ」

カメ「いや、どうやら──」チラッ


75 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 03:21:20.35 ID:f/uwiCd9O
原作通りか


76 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 03:22:44.00 ID:P3FtNlO00
タヌキ「すげえっす! 感動したっすよ!」

かぐや姫「よくやったわウサギ、よくやったわカメ!」

ツル「お二人とも、ゴールおめでとうございます!」

浦島太郎「年取ると、涙腺がもろくなっていかんわい」ウルッ

乙姫「ふむ、カメもウサギもあっぱれじゃ」

キジ「泣けるケーンッ!」

メロス「メロスは感激した」

チーター「ヒャハハッ! 二人ともすげえぜ!」

音「お前たちは心の友だぜ~!」

光「わっしも感動したねェ~……」



カメ「宇宙をまたにかけたこのかけっこ。もはや皆、勝敗など論じてはいない」

カメ「失ったものより、得るものの方がだいぶ多そうだな、ウサギ」

ウサギ「ケッ……バカヤロウどもが……!」グスッ…


78 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 03:28:30.05 ID:P3FtNlO00
カメ「ウサギ……今日は楽しかった。またかけっこしよう!」

カメ「俺はいつでも受けて立つ!」

ウサギ「ふん、絶対リベンジしてやるぜ!」

アキレス「あ、あの……」

ウサギ「どうした、アキレス?」

アキレス「いったとおりだろう? やっぱりウサギ君は勝てなかったね」ニコッ

ウサギ「……出せ」

アキレス「はいっ! 派手にやっちゃって下さい!」

ブチィッ! ブチィッ!



真っ赤な夕日が、皆がいる丘をあざやかに照らす中、

アキレスのアキレス腱が派手な音を立てて切断された。



ウサギとカメのかけっこ、これにておしまい。


79 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 03:28:49.96 ID:P3FtNlO00
ありがとうございました!


80 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 03:29:14.12 ID:hHomMkchP



81 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 03:29:20.79 ID:gw9aPX7wO
音はトリコか


82 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 03:36:16.56 ID:ghwZ6R4I0
コロコロの読み切りでありそう



84 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 03:43:55.25 ID:K14jN3xx0
増田こうすけの絵で脳内再生してたわ




85 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 03:44:45.60 ID:xRYOwExM0
スクライドっぽい感じがした



88 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 05:53:35.82 ID:qLwMYTFMO
乙姫


90 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 07:28:20.00 ID:f/uwiCd9O
すごいかけっこだった


91 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/08/17(土) 08:15:21.07 ID:G3ruJ0yVO
おつ


転載元

ウサギ「決着つけようぜ……どっちが最速かをよ!」カメ「うむ!」

http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1376669789/







ウサギとカメとボク 現代版むかしばなし (角川フォレスタ)
松本 こうじ
角川学芸出版 (2011-10-31)
売り上げランキング: 1,216,986

関連記事
2013/08/18 11:16 | CM(3) | 創作・男女系 SS
    コメント一覧
  1. 774@いんばりあん [ 2013/08/18 14:38 ]
  2. 狐のごんに兎が補食されると予想したんだがな
  3. 名無しのフィール [ 2013/08/18 15:24 ]
  4. アキレス・・・
  5. 名無し [ 2013/08/25 23:04 ]
  6. 光って絶対黄猿だよなw
コメントの投稿










管理者にだけ表示を許可する
トラックバック
この記事のトラックバックURL

インバリアントへようこそ
インバリアント -SSまとめサイト-
管理人:こばりあんと



  • About
  • 記事一覧
  • Twitter
  • まとめ依頼
  • ランダム SS
カテゴリ
アーカイブス

2018年 02月 (25)
2018年 01月 (7)
2017年 12月 (3)
2017年 11月 (22)
2017年 10月 (11)
2017年 09月 (2)
2017年 08月 (161)
2017年 07月 (180)
2017年 06月 (139)
2017年 05月 (311)
2017年 04月 (157)
2016年 02月 (1)
2015年 12月 (1)
2015年 05月 (261)
2015年 04月 (295)
2015年 03月 (305)
2015年 02月 (259)
2015年 01月 (283)
2014年 12月 (275)
2014年 11月 (287)
2014年 10月 (285)
2014年 09月 (262)
2014年 08月 (264)
2014年 07月 (262)
2014年 06月 (223)
2014年 05月 (218)
2014年 04月 (209)
2014年 03月 (185)
2014年 02月 (172)
2014年 01月 (191)
2013年 12月 (184)
2013年 11月 (183)
2013年 10月 (180)
2013年 09月 (153)
2013年 08月 (141)
2013年 07月 (154)
2013年 06月 (146)
2013年 05月 (152)
2013年 04月 (148)
2013年 03月 (130)
2013年 02月 (111)
2013年 01月 (123)
2012年 12月 (127)
2012年 11月 (120)
2012年 10月 (127)
2012年 09月 (117)
2012年 08月 (120)
2012年 07月 (122)
2012年 06月 (116)
2012年 05月 (122)
2012年 04月 (121)
2012年 03月 (123)
2012年 02月 (116)
2012年 01月 (122)
2011年 12月 (118)
2011年 11月 (113)
2011年 10月 (119)
2011年 09月 (110)
2011年 08月 (118)
2011年 07月 (118)
2011年 06月 (118)
2011年 05月 (123)
2011年 04月 (124)
2011年 03月 (117)
2011年 02月 (95)
2011年 01月 (109)
2010年 12月 (119)
2010年 11月 (110)
2010年 10月 (120)
2010年 09月 (74)
2010年 08月 (87)
2010年 07月 (113)
2010年 06月 (72)
2010年 05月 (67)
2010年 04月 (3)

SS検索
Ads
最新記事
Ads2
人気SSランキング